料理番組のようにはいかないお金の基本
2009年01月22日
昨今、節約が一段と意識されているのが理由なのか、テレビをみていると「簡単・節約レシピ」といった料理コーナーや番組を頻繁に見かけます。お昼前後の夕食の献立を考えそうな時間帯に限らず、土・日やゴールデンタイムにも審査員を揃えて料理バトルにしたり、お世話になった人に手料理を振る舞うという設定であったりするものの、広い意味ではやはり料理番組なのです。
多くの場合、食材の買い出しや野菜を洗ったり切ったりといった結構時間のかかる作業や、下ゆでなどの事前準備は「火が通りにくいものは事前に下処理をしておきます」という一言で片付けられており、とても簡単に誰でも素早くできそうな気がします。
今なら、節約レシピの王道は「お正月に余ったお餅を賢く使おう!」といったものや、白菜など旬で安く手に入る食材を使った蒸し鍋・蒸し料理などが多いようです。
これだけ頻繁に料理番組を見かけるのはなぜでしょうか。番組制作の低予算化が進んでいるためなのか、世の中の節約意識の高まりから、外食→中食(なかしょく:お惣菜などを買って自宅で食べること)→内食と変化し、日々の節約手段の1つに内食=自炊があることがシングル世帯などにも見直されはじめたからなのか、実態は定かではありません。
もちろん、余ったお餅を有効に使うことも、この時期安く手に入る白菜をちょっと変わった調理法で作ってみるアイデアも良いと思いますし、誰かの作り方を知ることは自分にとっての新メニュー開拓に役立つかもしれず、興味をもてることであると思います。
ただ、このように、日常生活の中で、偶然のように知った情報をそのまま実践して、大きな問題が生じないのは、料理番組ならではなのだと思うのです。
もし、このような事前準備や下処理を省き、誰でも簡単に同じように作れるといった印象を与える情報をお金の話で断片的に流したら、今頃、大問題になっているでしょう。考えただけでも恐ろしくなります。料理の場合、その料理に適した切り方はともかく、包丁の持ち方を知らない人はまずいないでしょうし、出来上がった料理がたとえまずくても、もう作らなければいい話です。被害の範囲は、通常、食材費+労力、家族の冷たい反応くらいですむはずです。しかし、お金の話はそうはいきません。
ご自身のポートフォリオを一軒家に例えると、いつでも自由に使える貯蓄はいわば土台となる1階部分、一方の投資は2階部分や人によっては屋根裏部屋程度になるのかもしれません。それを、1階部分の土台が未完成な人が、2階部分の情報を聞きつけて、すぐに行動してしまうと、現在、直面しているような金融危機などクラッシュが市場におきたとき、1階部分から倒壊してしまう事態も起こりえるわけです。
確かに、お金の基本は幅広く、お料理のイロハほど取っ付きやすいものではないかもしれません。同時に、お金の情報を発信する側の一層の工夫も必要だと思っています。ただ、一朝一夕で身に付くものでないから価値があるともいえるのです。(プロが作る料理もそうですが…)
今こそ、お金の基本を大切に、自分の目的にあった納得の金融商品を使いこなすために、一歩ずつ積み上げていくような気持ちで、“お金の情報”に接して頂けるとありがたいと思うのです。
多くの場合、食材の買い出しや野菜を洗ったり切ったりといった結構時間のかかる作業や、下ゆでなどの事前準備は「火が通りにくいものは事前に下処理をしておきます」という一言で片付けられており、とても簡単に誰でも素早くできそうな気がします。
今なら、節約レシピの王道は「お正月に余ったお餅を賢く使おう!」といったものや、白菜など旬で安く手に入る食材を使った蒸し鍋・蒸し料理などが多いようです。
これだけ頻繁に料理番組を見かけるのはなぜでしょうか。番組制作の低予算化が進んでいるためなのか、世の中の節約意識の高まりから、外食→中食(なかしょく:お惣菜などを買って自宅で食べること)→内食と変化し、日々の節約手段の1つに内食=自炊があることがシングル世帯などにも見直されはじめたからなのか、実態は定かではありません。
もちろん、余ったお餅を有効に使うことも、この時期安く手に入る白菜をちょっと変わった調理法で作ってみるアイデアも良いと思いますし、誰かの作り方を知ることは自分にとっての新メニュー開拓に役立つかもしれず、興味をもてることであると思います。
ただ、このように、日常生活の中で、偶然のように知った情報をそのまま実践して、大きな問題が生じないのは、料理番組ならではなのだと思うのです。
もし、このような事前準備や下処理を省き、誰でも簡単に同じように作れるといった印象を与える情報をお金の話で断片的に流したら、今頃、大問題になっているでしょう。考えただけでも恐ろしくなります。料理の場合、その料理に適した切り方はともかく、包丁の持ち方を知らない人はまずいないでしょうし、出来上がった料理がたとえまずくても、もう作らなければいい話です。被害の範囲は、通常、食材費+労力、家族の冷たい反応くらいですむはずです。しかし、お金の話はそうはいきません。
ご自身のポートフォリオを一軒家に例えると、いつでも自由に使える貯蓄はいわば土台となる1階部分、一方の投資は2階部分や人によっては屋根裏部屋程度になるのかもしれません。それを、1階部分の土台が未完成な人が、2階部分の情報を聞きつけて、すぐに行動してしまうと、現在、直面しているような金融危機などクラッシュが市場におきたとき、1階部分から倒壊してしまう事態も起こりえるわけです。
確かに、お金の基本は幅広く、お料理のイロハほど取っ付きやすいものではないかもしれません。同時に、お金の情報を発信する側の一層の工夫も必要だと思っています。ただ、一朝一夕で身に付くものでないから価値があるともいえるのです。(プロが作る料理もそうですが…)
今こそ、お金の基本を大切に、自分の目的にあった納得の金融商品を使いこなすために、一歩ずつ積み上げていくような気持ちで、“お金の情報”に接して頂けるとありがたいと思うのです。
筆者プロフィール
野尻美江子
「日経マネーDIGITAL」FP快刀乱麻より (c)日経BP社 日経マネー編集部
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