マイホームを欠陥から守る「住宅瑕疵担保履行法」
2009年10月08日
平成21年10月1日より「住宅瑕疵担保履行法」がスタートしました。「住宅瑕疵担保履行法」とは「特定住宅瑕疵担保の履行の確保等に関する法律」の略称です。
本法制定の直接のきっかけは、平成17年11月に発覚した「構造計算書偽装問題」です。
構造計算書の偽装が判明して建て替え等の大規模補修が必要となった分譲マンションのデベロッパー(不動産の売り主)には、平成12年4月から施行されている「住宅品質確保法」(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づく10年間の瑕疵担保責任が課せられていましたので、本来であれば売り主の業者が無料で補修などを行わなければならなかったわけです。ところが、ヒューザーをはじめ、複数のデベロッパーが倒産してしまい、住宅品質確保法に基づく瑕疵担保責任だけではマンション購入者の救済を十分図ることができないことがわかりました。そこで、マンションを含む新築住宅については、瑕疵担保責任の履行を実現できるようにするために、平成19年に「住宅瑕疵担保履行法」が公布されました。
この法律は、新築住宅を供給する事業者に対して、瑕疵の補修等が確実に行われるよう、<保険>か<供託>のいずれかの資力確保措置が義務づけられています。平成21年10月1日以降に引き渡される新築住宅が適用対象です。ただし、この法律の対象となる新築住宅とは、「建設工事の完了から1年以内で、人が住んだことのないもの」ですから、竣工から1年以上を経過した住宅、または竣工後1年以内でも誰かが住んだことのある住宅は資力確保措置の対象外となります。これにより、万一、事業者が倒産した場合等でも、供託金の還付や、保険金により必要な資金が消費者に支払われ、瑕疵担保責任を確実に履行できるという仕組みです。
住宅瑕疵担保履行法で保険や供託が義務づけられるのは、住宅品質確保法で10年間の瑕疵担保責任が義務づけられた者です。つまり、新築工事の請負人と新築住宅の売買契約の売り主です。たとえば、注文住宅の場合は建築会社など施工業者であり、分譲マンションの場合はデベロッパーなど分譲事業者です。今回の資力確保措置は、住宅品質確保法の10年間の瑕疵担保責任について資力の裏付けを義務づけることにより、その履行を確保することを目的としているからです。今回の資力確保の対象は、建設業法の許可を受けた建設業者と、宅地建物取引業者に限定しています。ということは、これらの許可や免許を有しない事業者が、新築住宅を請け負ったり、販売したりする場合には、保険や供託の義務はないこととなりますので注意が必要です。また、新築住宅を引き渡す相手が宅建業者の場合は、この資力確保の対象とはなっていません。たとえば、分譲マンションの場合では、建設業者はデベロッパーなど宅地建物取引業者からの発注に基づきマンションを建設し、宅建業者が一般消費者に分譲することになりますが、こうした場合には、建設業者は宅地建物取引業者に引き渡すわけですので、保険や供託の義務はありません。ただし、宅地建物取引業者が一般消費者に分譲する場合には資力確保義務の対象となります。
保険の場合には、対象の住宅に瑕疵が生じて事業者が補修などをすれば、その事業者に対して保険金が支払われます。そして補修などの責任を負うべき事業者が倒産などをしたため対応できない場合には、新築住宅の取得者が保険法人に対して費用(保険金)を直接請求できることになっています。なお、保険の場合には工事中に保険法人の検査を受ける必要があるため、工事着工前の申し込みが必須となっています。ここでいう「保険」は、この法律に基づき国土交通大臣から指定を受けた「住宅瑕疵担保責任保険法人」が提供している「住宅瑕疵担保責任保険」でなければなりません。
供託の場合も同様に、事業者が倒産していて瑕疵の補修などができない場合には、新築住宅の取得者が供託所に対して費用の還付請求をすることができます。
住宅瑕疵担保履行法に基づく住宅瑕疵担保責任保険が付された新築住宅の売り主・請負人(売り主等)とその買い主・発注者(買い主等)との間で紛争が生じた場合、住宅専門の紛争処理機関において、適切かつ迅速な紛争処理が受けられる体制になっています。
このことは、売り主等または買い主等のどちらからでも、申請手数料の1万円のみで、指定住宅紛争処理機関(「住宅紛争審査会」:全国各地の52弁護士会に設置されている住宅専門の紛争処理機関)に申請して、専門の弁護士・建築士によるあっせん、調停、または仲裁を受けることができます。なお、供託対象とされている住宅に係る紛争については、このような紛争処理審査会を利用した紛争処理の対象にはなりません。
せっかく購入したマイホームに瑕疵(欠陥)があり、売り主が倒産してしまって、補修できないことがないように、住宅瑕疵担保履行法については知っておきましょう。住宅ローンも含めて今後のライフプランのことを考え、慎重にじっくりと検討することが大切です。
本法制定の直接のきっかけは、平成17年11月に発覚した「構造計算書偽装問題」です。
構造計算書の偽装が判明して建て替え等の大規模補修が必要となった分譲マンションのデベロッパー(不動産の売り主)には、平成12年4月から施行されている「住宅品質確保法」(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づく10年間の瑕疵担保責任が課せられていましたので、本来であれば売り主の業者が無料で補修などを行わなければならなかったわけです。ところが、ヒューザーをはじめ、複数のデベロッパーが倒産してしまい、住宅品質確保法に基づく瑕疵担保責任だけではマンション購入者の救済を十分図ることができないことがわかりました。そこで、マンションを含む新築住宅については、瑕疵担保責任の履行を実現できるようにするために、平成19年に「住宅瑕疵担保履行法」が公布されました。
この法律は、新築住宅を供給する事業者に対して、瑕疵の補修等が確実に行われるよう、<保険>か<供託>のいずれかの資力確保措置が義務づけられています。平成21年10月1日以降に引き渡される新築住宅が適用対象です。ただし、この法律の対象となる新築住宅とは、「建設工事の完了から1年以内で、人が住んだことのないもの」ですから、竣工から1年以上を経過した住宅、または竣工後1年以内でも誰かが住んだことのある住宅は資力確保措置の対象外となります。これにより、万一、事業者が倒産した場合等でも、供託金の還付や、保険金により必要な資金が消費者に支払われ、瑕疵担保責任を確実に履行できるという仕組みです。
住宅瑕疵担保履行法で保険や供託が義務づけられるのは、住宅品質確保法で10年間の瑕疵担保責任が義務づけられた者です。つまり、新築工事の請負人と新築住宅の売買契約の売り主です。たとえば、注文住宅の場合は建築会社など施工業者であり、分譲マンションの場合はデベロッパーなど分譲事業者です。今回の資力確保措置は、住宅品質確保法の10年間の瑕疵担保責任について資力の裏付けを義務づけることにより、その履行を確保することを目的としているからです。今回の資力確保の対象は、建設業法の許可を受けた建設業者と、宅地建物取引業者に限定しています。ということは、これらの許可や免許を有しない事業者が、新築住宅を請け負ったり、販売したりする場合には、保険や供託の義務はないこととなりますので注意が必要です。また、新築住宅を引き渡す相手が宅建業者の場合は、この資力確保の対象とはなっていません。たとえば、分譲マンションの場合では、建設業者はデベロッパーなど宅地建物取引業者からの発注に基づきマンションを建設し、宅建業者が一般消費者に分譲することになりますが、こうした場合には、建設業者は宅地建物取引業者に引き渡すわけですので、保険や供託の義務はありません。ただし、宅地建物取引業者が一般消費者に分譲する場合には資力確保義務の対象となります。
保険の場合には、対象の住宅に瑕疵が生じて事業者が補修などをすれば、その事業者に対して保険金が支払われます。そして補修などの責任を負うべき事業者が倒産などをしたため対応できない場合には、新築住宅の取得者が保険法人に対して費用(保険金)を直接請求できることになっています。なお、保険の場合には工事中に保険法人の検査を受ける必要があるため、工事着工前の申し込みが必須となっています。ここでいう「保険」は、この法律に基づき国土交通大臣から指定を受けた「住宅瑕疵担保責任保険法人」が提供している「住宅瑕疵担保責任保険」でなければなりません。
供託の場合も同様に、事業者が倒産していて瑕疵の補修などができない場合には、新築住宅の取得者が供託所に対して費用の還付請求をすることができます。
住宅瑕疵担保履行法に基づく住宅瑕疵担保責任保険が付された新築住宅の売り主・請負人(売り主等)とその買い主・発注者(買い主等)との間で紛争が生じた場合、住宅専門の紛争処理機関において、適切かつ迅速な紛争処理が受けられる体制になっています。
このことは、売り主等または買い主等のどちらからでも、申請手数料の1万円のみで、指定住宅紛争処理機関(「住宅紛争審査会」:全国各地の52弁護士会に設置されている住宅専門の紛争処理機関)に申請して、専門の弁護士・建築士によるあっせん、調停、または仲裁を受けることができます。なお、供託対象とされている住宅に係る紛争については、このような紛争処理審査会を利用した紛争処理の対象にはなりません。
せっかく購入したマイホームに瑕疵(欠陥)があり、売り主が倒産してしまって、補修できないことがないように、住宅瑕疵担保履行法については知っておきましょう。住宅ローンも含めて今後のライフプランのことを考え、慎重にじっくりと検討することが大切です。
筆者プロフィール
清水 幸一
「日経マネーDIGITAL」FP快刀乱麻より (c)日経BP社 日経マネー編集部
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