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プロ野球ドラフト契約金と税金

2009年11月10日

菊池雄星投手は6球団が重複
 先月、プロ野球のドラフト会議が行われ、今年の注目選手である菊池雄星投手は6球団の指名が重複した結果、埼玉西武ライオンズが交渉権を獲得したことは記憶に新しいことと思います。
 球団やファンの期待も大きく、今後の活躍が非常に楽しみな選手です。

契約金に対する税金は?
 ところで、ドラフトで指名された選手が球団に入団する際、新聞などでも報道されるように高額の契約金を手にすることになりますが、この契約金に対してどのように税金がかかってくるのでしょうか。

 プロ野球選手は個人事業主に該当することから、年俸だけではなく契約金も含めた1年間の収入に対して所得税と住民税がかかることになります。

 所得税は、収入が高くなるほど税率も高くなる累進課税という制度になっています。年俸については、その後の活躍次第で大きく跳ね上がることもありますが、契約金については通常入団時のみでしょうから、入団した年の収入が大きくなり結果的に税金の負担も大きくなってしまいます。

 仮に、契約金が1億円の場合、所得税と住民税だけで最大約4,700万円の税金負担となってしまいます(便宜上、税金計算は経費、その他の所得、所得控除等を考慮しておりません。以下同様)。

平均課税とは?
 ただし、プロ野球選手の契約金には退職金の前払い的な意味合いも含まれており、1度に多額の税金負担を強いることは酷であることから、所得税では「平均課税」という税金の軽減措置が設けられています(住民税にはありません)。

 プロ野球に入団した選手が平均課税の適用を受けるためには、契約金が「臨時所得」という概念に該当する必要があり、臨時所得は、次のように定義されています。

 職業野球の選手などが、3年以上の期間特定の者と専属契約を結ぶことにより、一時に受ける契約金で、その金額がその契約による報酬の2年分以上であるものの所得。つまり、3年以上の契約期間で年俸の2倍以上の契約金ということですから、ドラフト上位選手の契約金は通常該当することとなります。

平均課税の効果
 平均課税の計算方法を簡単に言うと、臨時的に発生した契約金を5年間に分けて受け取ったと仮定して税金を計算するもので、上記と同様に契約金が1億円の場合で平均課税を適用すると、所得税と住民税は約3,600万円となり、税金負担は1,000万円程度下がることとなります。

 また、平均課税はプロ野球選手だけではなく、作家の原稿料、ミュージシャンの印税等にも適用することができます。

親孝行にも税金負担
 また、契約金の使い道について尋ねられた選手が、親に渡したい等といったセリフをテレビで聞くこともありますが、これは要注意です。

 一見すると、親孝行な微笑ましい光景のように思えますが、子供が親に契約金の一部を渡した場合、贈与に該当し、受け取った親に対して贈与税が課税されることになります。

 非常に厳しいように思いますが、契約金のような大きな金銭が動くときには、税務署も注目しているようですから、注意が必要です。

土屋会計事務所
税理士、CFP 土屋 裕昭
提供:有限会社イマジネーション


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