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この下げ相場で投資スタンスを整理する

2007年11月15日

 この夏以降の株価下落や円高で損失を被った人、あるいは運用益が減少している人が多いことと思う。2000年以降、日本株がダメなときでも外貨建て投資が助けてくれることが多かったが、今回は円高に振れてきていることもあり、やや八方ふさがりの感がある。足もとで調子がいいのは資源・商品関連の投資だが、ここ数ヶ月で急騰しただけに、今のタイミングで新規投資に踏み切るのには勇気が必要とされる。

 株式のような値動きのある商品では、数年に1回といった価格の下落は避けられない。一本調子で常に上がり続ける相場というのはあり得ない話である。こういうことは頭では分かっていても、いざ現実に起こってくると、将来に不安を抱かせる悪いニュースばかりが流れてくるので、どこまで下がり続けるか分からない恐怖感にかられ、ついつい安値で売ってしまいがちになる。あるいは思考停止におちいって、「持っていればいずれまた上がるだろう」ということで、売りも買いもせず、現状のポートフォリオをただそのまま維持する人も多い。

 既に下がってしまったものは今さらどうしようもないが、今回の下げ相場を投資スタンスあるいは運用ポートフォリオを見直すいい機会にしたいところである。たとえば次のようなことを確認しておきたい。

1)リスク商品への投資割合は適切か
  資産全体でリスクをコントロールする上で大事なことは、過大な投資に走らないということである。上げ相場が続くと、ついついリスク商品への投資割合が大きくなりがちだが、投資金額が大きくなると、実際の損益の額も大きくなる。リスク商品での運用を考える以上、運用途中でのある程度の下げ相場は避けられないのだから、その時に過大なストレスを受けないようにするために、投資金額そのものが適切かという点は常にチェックしておくべき点である。

2)レバレッジをかけ過ぎていないか
  上記とも関連するが、FX(外国為替証拠金取引)などで高い倍率の取引をすると、自分の資金量に比べて過大な投資をしていることになる。高レバレッジの取引は相場が裏目に出ると、多大な損失を被るので避けたほうが無難である。

3)資産配分は適切か
  長期投資で安定的に資産を殖やしていくためには分散投資を心がける必要がある。新興国株式や外国債券など、特定の資産に片寄りすぎた運用になっていないだろうか。株式と債券への投資割合、日本株、先進国株式、新興国株式への投資割合、米ドル、ユーロ、豪ドル等への通貨配分などはバランスの取れたものになっているだろうか。もし特定の資産への配分が高すぎる場合は、その資産を一部売って、そのお金で他の資産の買い増しをする、あるいはまだ保有していない資産を買い付けるといったことを検討したほうがよいだろう。
  なお現状では、商品関連あるいは資源関連への投資をしている人はまだ少ないようである。以前はこの種の投資は投資商品が限られていたこともあって、資産の中に組み入れづらいところがあった。ところが、ここ数年で急速に品揃えが増えてきている。たとえば商品指数との連動を目指すコモディティ・インデックス投信、資源価格の上昇によって値上がりが期待できる世界中のエネルギー株や鉱山株などに投資する資源株ファンド、エネルギーと農産物の両方の価格上昇を捉えるファンド、金価格の数倍の値動きが期待できる金鉱株に投資する金鉱株ファンドなどがある。また世界的に水資源が不足しつつあり、このことが世界経済にダメージを与えることが懸念されているが、世界中の水関連企業に投資するウォーター・ファンドというものもある。これらの多くはここ数ヶ月で価格が急激に上昇しているので、今のタイミングで一気に購入するのは止めたほうがよいと思うが、今後少しずつ自分の資産の中に組み入れてみるということも検討に値するだろう。

4)その商品を今なら買うか
  自分が保有している投資商品について、今だったら購入するか、という点についても検討しておきたい。買ったときは魅力的な投資対象に思えていたとしても、今だったら購入しないということであれば、売却を検討したほうがよいだろう。あるいは購入時に想定していたシナリオをもう一度検討してみることも有意義である。たとえば、新興国には高い経済成長が期待できる、長期的には円安傾向になる、といったシナリオに変更がなければ、こうした考えの下に購入した商品は保有し続けることをお勧めする。

生活設計塾クルー 目黒政明

「日経マネーDIGITAL」FP快刀乱麻より   (c)日経BP社 日経マネー編集部

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