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死亡保険金を生前に受け取ると税金はどうなる

2008年10月10日

 死亡保険金の受け取りは通常、被保険者(保険の契約において保険の対象となる人)が死亡した場合に受け取ることが出来ますが、リビングニーズ特約を付帯すると生前に受け取ることが出来ます。受け取る金額は6ヶ月の利息・保険料相当分を差し引いた分になるものの、保険金受取が生前でも所得税がかからないのが原則です。それならば保険金を生きているうちにもらいたいと思う人も多いのではないでしょうか?
ただ、遺族のことを考えると、請求する金額をしっかりと考えてから請求したほうがいいでしょう。

リビングニーズ特約とは
 原因にかかわらず、余命6ヶ月以内と診断されると、一般的に3000万円までの範囲で保険金の全部または一部を請求できる特約です。保険料は必要ありませんので、特約を付帯している方も多いと思います。
 ガンや高額な治療費に備えたい、生前に悔いのない人生を送りたい、という人のために作られた制度で、生きているうちに有効に使いたいという人には便利な特約と言えそうです。
 しかし、受け取る時には税制面で気をつけなければなりません。

リビングニーズ特約に基づいて被保険者が受け取る保険金は非課税
 死亡保険金は被保険者の死亡後に受け取ると契約形態に応じて所得税(契約者と保険金受取人が同じ)相続税(契約者と被保険者が同じで、保険金受取人が別の人)贈与税(契約者、被保険者、保険金受取人がそれぞれ別の人)の対象となりますが、リビングニーズ特約により被保険者が受け取る保険金は所得税取扱通達によって、入院給付金、手術給付金、通院給付金、介護給付金、障害給付金等と同じく非課税の扱いになります。

生前に受け取り、使い残すと税金がかかる場合も
 生前に保険金を受け取る場合は、受け取った時点では非課税ですが、使い残したまま被保険者が死亡した場合には、他の相続財産と合算され通常の相続税の対象となります。普通に保険金として受け取れば、生命保険の相続税の非課税枠が認められる訳ですから、生前に受け取る金額は、使い残すということが無いように、どんな目的でいくら必要かを十分に検討してから決める必要があります。

 ちなみに生命保険の非課税枠とは、500万円×法定相続人(法的に相続の権利を持つ人)の数、で算出される金額になります。
 例えば、相続人が妻と、子供2人なら500万円×3人(妻と子供2人)で1500万円です。この金額を超えなければ保険金に相続税はかかりません。
 具体的に見ていきましょう。

ケース1
 夫が余命6ヵ月と診断され、3000万円の保険金の内、リビングニーズ特約を使い1500万円を受け取りました。夫の生前中にすべ使い切れば、使いきった1500万円は非課税。夫の死後に受けとった1500万円は相続税の非課税枠の範囲内で、これまた非課税です。

ケース2
 同様に生前に夫が3000万円の保険金を受け取り、2000万円を使い残した場合、この2000万円が相続財産となりますが、生命保険金の相続税の非課税枠は使えず、他の相続財産と合わせて相続税の対象となります。

ケース3
 被保険者に死亡により5000万円を受け取る保険契約の場合、リビングニーズ特約を利用しないで生前に保険金を受け取っていない場合、5000万円が相続財産になりますが、リビングニーズ特約を使って3000万円を生前に受け取り、すべてを使いきっていた場合は2000万が相続財産となり、非課税枠が1500万円ですので500万円が相続税の対象となります。

生前に何にいくら必要かよく考えて請求を
 以上のように、生前に受け取った生命保険金は使い残すと相続税がかかる場合もあることを考えれば、本当に必要な金額だけを請求して、死亡後の生命保険の非課税枠を十分に利用し、残された遺族に相続税の負担がかからないようにすることが得策です。

遺産が多めの人は注意
 これまでの話は、そもそも相続税が基礎控除以内に収まりそうな人には関係ありません。
 相続税の基礎控除額は5000万円+1000万円×法定相続人(法的に相続の権利を持つ人)の数、です。法定相続人が妻と子供2人であれば5000万円+1000万円×3人(妻と子供2人)=8000万円。つまり相続財産が8000万円以内であれば相続税はかかりません。
 しかし、遺産が多めで相続財産が非課税枠を超えそうな人には注意しておきたいポイントです。

株式会社 住まいと保険と資産管理
ファイナンシャルプランナー 鷲津 健
提供:株式会社FP総研


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