東京都の試算は約3兆円ですが...

オリンピックの経済波及効果でもっとも大きなものは、公共施設などの建設関連。ただし、建設後の用途や収益を考えずにいると、巨額の維持費用がかかる「負の遺産」になる可能性も…。 イラスト/牧野良幸

オリンピックの経済波及効果でもっとも大きなものは、公共施設などの建設関連。ただし、建設後の用途や収益を考えずにいると、巨額の維持費用がかかる「負の遺産」になる可能性も…。 イラスト/牧野良幸

ロンドンオリンピックが閉幕して早数日。連日、明け方まで眠い目をこすりながら応援していたという人もいるのではないでしょうか? 次回、2016年の開催国は「リオデジャネイロ」ですが、すでにその次の開催候補地選びが行われています。

2020年の開催地として正式に立候補し、一次選考を通過したのは、マドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)、東京(日本)の3都市。2013年9月に最終決定となる予定です。

オリンピック招致に向けて東京都は今年6月、東京でオリンピックが開催された場合の経済波及効果が、東京都内で1兆6700億円、その他の地域で1兆2900億円の計2兆9600億円にのぼるとの試算を発表しました。

1998年に行われた長野オリンピックの経済波及効果は、長野県内だけで1兆7513億円、日本国内全体で4兆6802億円だったと発表されていますが...果たして約3兆円という試算の真意は? 経済評論家の平野和之さんに聞いてみました。

「長野オリンピックの経済波及効果には長野新幹線の膨大な建設費用も含まれていました。東京オリンピックが長野の時と同等の経済波及効果を上げるかと言われたら、疑問は残ります。ただし、試算は前提や条件によって変わるので、簡単に『正しい』『誤っている』とは言えないでしょう。どのぐらいのスパンで試算しているのか、どこまでをオリンピックの経済波及効果とするかにもよるので、『明言できない』というのが正直なところです」

たとえば、お菓子メーカーがオリンピック選手を起用したCMを流して、売上高が倍増したとします。この数字は事実として、これがオリンピック選手の出演による効果なのかは断言できません。都は、試算の内訳を明らかにしていませんが、どういった内容を考慮するかで、試算額は大きく変わってきます。

「実は、オリンピックの経済効果については、議論すべき大事なポイントがもう1つありますよ」と平野さん

...と、言いますと?