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いよいよ始まる年金分割制度で離婚は急増?
2006年12月17日 いよいよ開始まで3ヶ月に迫った年金分割制度。離婚後、女性の年金が増えるとして取り沙汰されています。果たして、妻は春から安心して離婚に踏み切れるのでしょうか?
そもそも年金分割とは
例えば夫がサラリーマン、妻がOL経験のない専業主婦の場合、夫婦で貰える年金は
夫の「基礎年金」「厚生年金」
妻の「基礎年金」
離婚をすると、妻の年金は自分の「基礎年金」のみで、「厚生年金」はすべて夫のものになり、男女間の年金額に大きな開きが生じます。このような問題に対し、平成19年4月にスタートするのが「離婚時の年金分割制度」。離婚時に、夫の厚生年金の一部を妻に分割可能にするもので、
(1)厚生年金のみが分割の対象になる
(2)平成19年4月以降に離婚をすると、それ以前の婚姻期間を含めて分割できる
(3)ずっと専業主婦の妻は、婚姻期間中における夫の厚生年金を最大で半分貰える(独身時代の厚生年金部分は対象外)
(4)分割割合は夫婦の話し合いか裁判所で決める
(5)平成20年4月から、専業主婦の期間について「夫の同意無しに」厚生年金の半分が貰える制度第2弾が始まる
などの特徴があり、男女間における年金額の格差低減を図るものです。
専業主婦の年金は思ったより増えない
上記同様、夫がサラリーマン、妻がOL経験のない専業主婦(モデル世帯)の場合の年金は、月に
夫:基礎年金6万6000円+厚生年金10万1000円=16万7000円
妻:基礎年金6万6000円
合計:23万3000円
とされています(厚生労働省発表)。現在離婚をすると、夫の年金は月16万7000円、妻は基礎年金のみの6万6000円。来年4月以降の離婚では、夫の厚生年金の最大半分が妻に分けられ、夫妻それぞれ
基礎年金6万6000円+厚生年金5万500円=11万6500円
「妻は夫の年金を半分貰える」との誤解が多いですが、貰えるのは「夫の年金16万7000円の半分」ではなく「夫の厚生年金10万1000円の半分」です。妻の年金は月5万円ほどしか増えず、男女間の不公平性は是正されるものの、双方とも経済的に厳しいのが現実です。「二人なら暮せたけど、離婚したら互いに暮せない」といったことになりかねません。「実は離婚を考えており、4月を過ぎたら切り出そうかと思っているのですが」という女性の声を聞くことがありますが、年金以外の経済的裏付け無しには難しいのではないでしょうか。
がんばって働いたOLは報われない?
共働きの場合、妻は「自分の厚生年金はそのまま貰え、さらに夫の厚生年金を半分貰える」わけではなく、「夫婦二人の厚生年金を合計し、最大その半分」しか受け取れません。
たとえば、1ヶ月の厚生年金が夫10万円、妻6万円の場合、離婚後における妻の厚生年金は
「『夫』10万円÷2=5万円」+「『妻』6万円」⇒「11万円」ではなく、
「『夫』10万円+『妻』6万円=16万円」÷2 ⇒「8万円」
となります。専業主婦なら「夫の厚生年金の半分、5万円」を貰えるのに、共働きの妻は「夫の厚生年金のうち2万円」しか貰えず、専業主婦より分割額が少なくなります。
「必ず夫の厚生年金を半分貰える」のではなく、妻が高収入で夫婦間の収入差が小さいほど、分けてもらえる厚生年金は少額になります。互いの収入次第では分割が無いことも、反対に妻が夫に分割しなければならないことも考えられます。
自営業の夫と離婚したら
年金分割制度はあくまで「厚生年金」を分けるもの。自営業者の場合は、「国民年金」に加入しており「厚生年金」には加入していないため、ずっと自営業を営んできた夫と来年4月以降に離婚をしても、分けてもらえるものは何もありません。
サラリーマンの夫が脱サラし、自営業を始めた場合も注意が必要です。ずっと会社勤めをした夫と比べ、脱サラした夫は厚生年金の加入期間が短くなります。厚生年金の年金額は、「現役時代の給与の高さ」と「加入期間の長さ」に比例するので、夫が若くして脱サラしているほど、分割される厚生年金は少なくなります。
若年離婚の妻は自助努力を
若年離婚の場合も、婚姻期間中における夫の厚生年金への加入期間が短くなります。また、一般的に若い夫は給与も高くないため、離婚をしても夫から貰える厚生年金は期待したほどの額にはなりません。妻の将来の年金額は、婚姻期間が短いほど、また若くして離婚をしているほど、夫から貰う厚生年金の影響を受けないことになります。
年金を貰うには、いずれかの制度に25年以上加入することが必要です。「若くして離婚、会社勤めもせず国民年金も納めない」などで加入条件を満たせないと、前夫から分けられた厚生年金も含め、何の年金も貰えないという「無年金状態」に陥ることもあります。若くして離婚した妻の年金がどうなるかは本人次第のようです。
バツイチ男性は年金もバツイチ?
再婚すれば将来の年金は夫婦二人分を貰えるので、独身のまま生活するのに比べ経済的に余裕が出てきます。しかし、離婚歴のある男性と再婚する場合は注意が必要です。バツイチ男性と前妻との婚姻期間については、厚生年金の半分がすでに前妻のものになっているかもしれず、初婚の男性に比べ将来の年金額が少ない可能性があるからです。
「離婚をしたら私の年金はどうなりますか?」という男性の声を聞くことがあります。「厚生年金は自分のもの」と考える男性が多いかもしれませんが、離婚は戸籍に爪痕を残すだけでなく年金にも爪痕を残すことを忘れてはいけないようです。
来年4月以降、再婚の際、この様な「バツイチ年金」を避けるためには、女性は意中の男性の年金が分割されていないか、事前に確認する必要があるかもしれません。
年金のために離婚時期を決めて良いの?
夫婦二人ならば一定水準の生活を可能にする年金ですが、離婚をすると、双方とも経済的に厳しくなるのが現実です。また、分割の恩恵を受けられない妻が少なからず存在することも事実です。特別な事情があり、「年金なんかどうでも良い。一刻も早く別れたい」という場合には、将来の収入を考え今少し待ち、来年4月以降の離婚を検討しても良いかもしれません。しかし、「ダンナの年金を半分貰って、あとは年金収入で悠々自適!」などと考えて離婚をすると、少なくとも経済的には厳しい現実が待ち構えています。
年金は老後収入の大きな柱です。年金を上手に貰うコツがあるとすれば、それは「夫婦円満」 かもしれません。
そもそも年金分割とは
例えば夫がサラリーマン、妻がOL経験のない専業主婦の場合、夫婦で貰える年金は
夫の「基礎年金」「厚生年金」
妻の「基礎年金」
離婚をすると、妻の年金は自分の「基礎年金」のみで、「厚生年金」はすべて夫のものになり、男女間の年金額に大きな開きが生じます。このような問題に対し、平成19年4月にスタートするのが「離婚時の年金分割制度」。離婚時に、夫の厚生年金の一部を妻に分割可能にするもので、
(1)厚生年金のみが分割の対象になる
(2)平成19年4月以降に離婚をすると、それ以前の婚姻期間を含めて分割できる
(3)ずっと専業主婦の妻は、婚姻期間中における夫の厚生年金を最大で半分貰える(独身時代の厚生年金部分は対象外)
(4)分割割合は夫婦の話し合いか裁判所で決める
(5)平成20年4月から、専業主婦の期間について「夫の同意無しに」厚生年金の半分が貰える制度第2弾が始まる
などの特徴があり、男女間における年金額の格差低減を図るものです。
専業主婦の年金は思ったより増えない
上記同様、夫がサラリーマン、妻がOL経験のない専業主婦(モデル世帯)の場合の年金は、月に
夫:基礎年金6万6000円+厚生年金10万1000円=16万7000円
妻:基礎年金6万6000円
合計:23万3000円
とされています(厚生労働省発表)。現在離婚をすると、夫の年金は月16万7000円、妻は基礎年金のみの6万6000円。来年4月以降の離婚では、夫の厚生年金の最大半分が妻に分けられ、夫妻それぞれ
基礎年金6万6000円+厚生年金5万500円=11万6500円
「妻は夫の年金を半分貰える」との誤解が多いですが、貰えるのは「夫の年金16万7000円の半分」ではなく「夫の厚生年金10万1000円の半分」です。妻の年金は月5万円ほどしか増えず、男女間の不公平性は是正されるものの、双方とも経済的に厳しいのが現実です。「二人なら暮せたけど、離婚したら互いに暮せない」といったことになりかねません。「実は離婚を考えており、4月を過ぎたら切り出そうかと思っているのですが」という女性の声を聞くことがありますが、年金以外の経済的裏付け無しには難しいのではないでしょうか。
がんばって働いたOLは報われない?
共働きの場合、妻は「自分の厚生年金はそのまま貰え、さらに夫の厚生年金を半分貰える」わけではなく、「夫婦二人の厚生年金を合計し、最大その半分」しか受け取れません。
たとえば、1ヶ月の厚生年金が夫10万円、妻6万円の場合、離婚後における妻の厚生年金は
「『夫』10万円÷2=5万円」+「『妻』6万円」⇒「11万円」ではなく、
「『夫』10万円+『妻』6万円=16万円」÷2 ⇒「8万円」
となります。専業主婦なら「夫の厚生年金の半分、5万円」を貰えるのに、共働きの妻は「夫の厚生年金のうち2万円」しか貰えず、専業主婦より分割額が少なくなります。
「必ず夫の厚生年金を半分貰える」のではなく、妻が高収入で夫婦間の収入差が小さいほど、分けてもらえる厚生年金は少額になります。互いの収入次第では分割が無いことも、反対に妻が夫に分割しなければならないことも考えられます。
自営業の夫と離婚したら
年金分割制度はあくまで「厚生年金」を分けるもの。自営業者の場合は、「国民年金」に加入しており「厚生年金」には加入していないため、ずっと自営業を営んできた夫と来年4月以降に離婚をしても、分けてもらえるものは何もありません。
サラリーマンの夫が脱サラし、自営業を始めた場合も注意が必要です。ずっと会社勤めをした夫と比べ、脱サラした夫は厚生年金の加入期間が短くなります。厚生年金の年金額は、「現役時代の給与の高さ」と「加入期間の長さ」に比例するので、夫が若くして脱サラしているほど、分割される厚生年金は少なくなります。
若年離婚の妻は自助努力を
若年離婚の場合も、婚姻期間中における夫の厚生年金への加入期間が短くなります。また、一般的に若い夫は給与も高くないため、離婚をしても夫から貰える厚生年金は期待したほどの額にはなりません。妻の将来の年金額は、婚姻期間が短いほど、また若くして離婚をしているほど、夫から貰う厚生年金の影響を受けないことになります。
年金を貰うには、いずれかの制度に25年以上加入することが必要です。「若くして離婚、会社勤めもせず国民年金も納めない」などで加入条件を満たせないと、前夫から分けられた厚生年金も含め、何の年金も貰えないという「無年金状態」に陥ることもあります。若くして離婚した妻の年金がどうなるかは本人次第のようです。
バツイチ男性は年金もバツイチ?
再婚すれば将来の年金は夫婦二人分を貰えるので、独身のまま生活するのに比べ経済的に余裕が出てきます。しかし、離婚歴のある男性と再婚する場合は注意が必要です。バツイチ男性と前妻との婚姻期間については、厚生年金の半分がすでに前妻のものになっているかもしれず、初婚の男性に比べ将来の年金額が少ない可能性があるからです。
「離婚をしたら私の年金はどうなりますか?」という男性の声を聞くことがあります。「厚生年金は自分のもの」と考える男性が多いかもしれませんが、離婚は戸籍に爪痕を残すだけでなく年金にも爪痕を残すことを忘れてはいけないようです。
来年4月以降、再婚の際、この様な「バツイチ年金」を避けるためには、女性は意中の男性の年金が分割されていないか、事前に確認する必要があるかもしれません。
年金のために離婚時期を決めて良いの?
夫婦二人ならば一定水準の生活を可能にする年金ですが、離婚をすると、双方とも経済的に厳しくなるのが現実です。また、分割の恩恵を受けられない妻が少なからず存在することも事実です。特別な事情があり、「年金なんかどうでも良い。一刻も早く別れたい」という場合には、将来の収入を考え今少し待ち、来年4月以降の離婚を検討しても良いかもしれません。しかし、「ダンナの年金を半分貰って、あとは年金収入で悠々自適!」などと考えて離婚をすると、少なくとも経済的には厳しい現実が待ち構えています。
年金は老後収入の大きな柱です。年金を上手に貰うコツがあるとすれば、それは「夫婦円満」 かもしれません。
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CFPファイナンシャルプランナー 大須賀 信敬
CFPファイナンシャルプランナー 大須賀 信敬
提供:株式会社FP総研
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