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実は数‰(パーミル)しかない死亡率
2009年05月26日死亡率は意外に低い?
生命保険会社が保有している契約のうち、毎年何%が死亡保険金支払いの対象となるのでしょうか。周囲に聞いてみると、「3%くらい?」という回答が多かったのですが、みなさんはいかがでしょうか。
ざっくりですが、実際の毎年の死亡率は約0.35%、つまり3.5‰(パーミル)程度です。
タイトルから「かなり少ないのだろうな・・・」と予想されていたと思いますが、いかがですか?多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれですが、おそらく少ないと感じた方が多かったのではないでしょうか。
死亡率は会社規模や営業年数、加入者の年齢層などによって異なりますが、死亡の件数÷保有契約件数で計算され、各生命保険会社のディスクロージャー誌に毎年記載されています。(ここであえて‰の単位を出したのは、ディスクロージャー誌の単位が‰となっているためです)
生命保険協会が公開している年次統計資料では、平成19年の業界全体の年始保有契約が約1億1千万件、死亡件数(高度障害含む)は約38万件となっていますので、単純計算で0.00348となり、上記のとおり3.5‰となります。
ちなみに保険金額ベースでみると、業界全体で保障している金額(保有保険金額)が約1,000兆円、死亡保険金支払総額が約2兆7千億円で約2.7‰となります。
死亡保険金支払いに必要な保険料は月2千円?
当然ですが、毎年保険金を支払うためには毎年保険金支払いに必要な分の保険料をいただかなくてはなりません。
さきほどの平成19年度の業界全体の死亡保険金支払総額を見ると2兆7千億円ですので、その金額と同額を保険料としていただかなくてはなりません。(これを「収支相当の原則」といいます)
では、一人当たりでいくら保険料を支払えばよいのでしょうか。
同じく先ほどの平成19年度の業界全体の年始保有契約によれば1億1千万件ですので、保険金支払総額2兆7千億の支払いには約2万4千円の保険料が必要となります。1ヶ月に換算すると2千円程度となります。
ちょっと乱暴な計算ですが、一律月換算で2千円程度の保険料が集金されれば、平成19年度の業界全体の死亡保険金支払総額を賄えることになります。
なぜ保険料が高くなるか?
さきほどの計算では、まず保険料の価格について考えていただきたく、単純な計算をしてみましたが、保険期間が10年20年と長期にわたる生命保険の実際の保険料計算は、これまで見てきたように単純なものではなく、保険募集や集金・支払い等の業務を行う上で必要な事業費などを含め、安全確実に保険金が支払えるよう非常に高度な手法で算出されています。
そういうわけで、単純に死亡保険金の支払いだけを考えて計算したときよりも、実際の加入時には、ずっと多くの保険料が必要になってしまうわけです。
保険料の価格設定について考える
しかし、高度な手法で適正に計算されたものだからといって、その価格設定になんら疑問をもたず、受け入れるだけでよいのでしょうか。
日本の死亡保険は、平均寿命が世界一であるにもかかわらず、諸外国のそれと比較して2倍近く高額な商品となっています。
最近では保険を選ぶ際に、保障内容、信頼できる営業担当者の存在、会社の健全性などをきちんと考慮する賢明な人が増えてきています。
しかし、保険商品の保険料の妥当性に関していえば、現時点ではまだ考慮の対象外となっていると思います。
そもそも、妥当な保険料設定なのかを知る術がないわけですから、当然かもしれません。
しかし、諸外国では保険コストのディスクロージャーがすすんでおり、保険商品購入時の重要な選択情報となっているわけですから、今後日本でも同様の動きが進むことを願います。
最後に、米国で生命保険料のコスト開示が進み始めた1960年代に書かれた論文「生命保険における価格のディスクロージャー:生命保険市場における無知を氷解させる一つの方法として」(Joseph M. Belth教授)の一部をご紹介して終わりにしたいと思います。
生命保険の保障の価格を測ることは難しい。
これは生命保険契約が複雑であり、ほとんどの場合、必要なデータが容易に入手できないことによる。その結果、個人向け生命保険市場は価格について消費者の無知を作り出し、効果的な価格競争が行われてこなかった。
多くの保険契約者は、ほぼ同等の保障のためにずっと高い保険料を請求されているという意味で、必要以上に高額な保険料を払ってきた。
生命保険の価格競争を効果的なものにするためには、より厳格な価格開示を義務付け、これによって注意深い買い手が合理的な情報を持った上で、購入の意思決定ができるようにすることが必要である。
Belth [1968]の論文要旨を翻訳したもの。
なお、Belth教授はこの2年前の1966年にも”Price Competition in Life Insurance”(生命保険における価格競争)という論文を執筆している。
生命保険会社が保有している契約のうち、毎年何%が死亡保険金支払いの対象となるのでしょうか。周囲に聞いてみると、「3%くらい?」という回答が多かったのですが、みなさんはいかがでしょうか。
ざっくりですが、実際の毎年の死亡率は約0.35%、つまり3.5‰(パーミル)程度です。
タイトルから「かなり少ないのだろうな・・・」と予想されていたと思いますが、いかがですか?多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれですが、おそらく少ないと感じた方が多かったのではないでしょうか。
死亡率は会社規模や営業年数、加入者の年齢層などによって異なりますが、死亡の件数÷保有契約件数で計算され、各生命保険会社のディスクロージャー誌に毎年記載されています。(ここであえて‰の単位を出したのは、ディスクロージャー誌の単位が‰となっているためです)
生命保険協会が公開している年次統計資料では、平成19年の業界全体の年始保有契約が約1億1千万件、死亡件数(高度障害含む)は約38万件となっていますので、単純計算で0.00348となり、上記のとおり3.5‰となります。
ちなみに保険金額ベースでみると、業界全体で保障している金額(保有保険金額)が約1,000兆円、死亡保険金支払総額が約2兆7千億円で約2.7‰となります。
死亡保険金支払いに必要な保険料は月2千円?
当然ですが、毎年保険金を支払うためには毎年保険金支払いに必要な分の保険料をいただかなくてはなりません。
さきほどの平成19年度の業界全体の死亡保険金支払総額を見ると2兆7千億円ですので、その金額と同額を保険料としていただかなくてはなりません。(これを「収支相当の原則」といいます)
では、一人当たりでいくら保険料を支払えばよいのでしょうか。
同じく先ほどの平成19年度の業界全体の年始保有契約によれば1億1千万件ですので、保険金支払総額2兆7千億の支払いには約2万4千円の保険料が必要となります。1ヶ月に換算すると2千円程度となります。
ちょっと乱暴な計算ですが、一律月換算で2千円程度の保険料が集金されれば、平成19年度の業界全体の死亡保険金支払総額を賄えることになります。
なぜ保険料が高くなるか?
さきほどの計算では、まず保険料の価格について考えていただきたく、単純な計算をしてみましたが、保険期間が10年20年と長期にわたる生命保険の実際の保険料計算は、これまで見てきたように単純なものではなく、保険募集や集金・支払い等の業務を行う上で必要な事業費などを含め、安全確実に保険金が支払えるよう非常に高度な手法で算出されています。
そういうわけで、単純に死亡保険金の支払いだけを考えて計算したときよりも、実際の加入時には、ずっと多くの保険料が必要になってしまうわけです。
保険料の価格設定について考える
しかし、高度な手法で適正に計算されたものだからといって、その価格設定になんら疑問をもたず、受け入れるだけでよいのでしょうか。
日本の死亡保険は、平均寿命が世界一であるにもかかわらず、諸外国のそれと比較して2倍近く高額な商品となっています。
最近では保険を選ぶ際に、保障内容、信頼できる営業担当者の存在、会社の健全性などをきちんと考慮する賢明な人が増えてきています。
しかし、保険商品の保険料の妥当性に関していえば、現時点ではまだ考慮の対象外となっていると思います。
そもそも、妥当な保険料設定なのかを知る術がないわけですから、当然かもしれません。
しかし、諸外国では保険コストのディスクロージャーがすすんでおり、保険商品購入時の重要な選択情報となっているわけですから、今後日本でも同様の動きが進むことを願います。
最後に、米国で生命保険料のコスト開示が進み始めた1960年代に書かれた論文「生命保険における価格のディスクロージャー:生命保険市場における無知を氷解させる一つの方法として」(Joseph M. Belth教授)の一部をご紹介して終わりにしたいと思います。
生命保険の保障の価格を測ることは難しい。
これは生命保険契約が複雑であり、ほとんどの場合、必要なデータが容易に入手できないことによる。その結果、個人向け生命保険市場は価格について消費者の無知を作り出し、効果的な価格競争が行われてこなかった。
多くの保険契約者は、ほぼ同等の保障のためにずっと高い保険料を請求されているという意味で、必要以上に高額な保険料を払ってきた。
生命保険の価格競争を効果的なものにするためには、より厳格な価格開示を義務付け、これによって注意深い買い手が合理的な情報を持った上で、購入の意思決定ができるようにすることが必要である。
Belth [1968]の論文要旨を翻訳したもの。
なお、Belth教授はこの2年前の1966年にも”Price Competition in Life Insurance”(生命保険における価格競争)という論文を執筆している。
ライフネット生命保険株式会社 古川 響平
提供:有限会社イマジネーション
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