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「リバランス」のメリット・デメリット

2008年09月29日

 投資信託を活用した資産管理のキーワードのひとつにリバランスがあります。
 リバランスとは「運用ポートフォリオのバランスを元に戻すこと」。つまり、運用資産ごとの保有割合に一定の目標を設けておいて、割合が増えた資産を減らし、割合が減った資産を増やすように売買取引をする運用手法のことです。本コラムでは、リバランスのメリットと、逆にリバランスがデメリットになってしまうケースについて、注意したいポイントを解説していきます。

リバランスの2つのメリットとは?
 リバランスには大きく2つの効果があると考えられます。

 1つ目は、運用ポートフォリオのリスク・リターンが大きく崩れることを防ぐ効果です。例えば、運用ポートフォリオとして株式と債券を50%ずつ保有しており、その後株式の価格が20%上昇、債券の価格が10%下落するケースを考えてみます。この時、運用ポートフォリオ全体の価格は増えますが、株式と債券のバランスは株式:約57%、債券:43%へと変化します。運用ポートフォリオは株式比率の高まりを受けて以前よりもハイリスク・ハイリターンなものになりますが、リバランスには、このような価格変動によるポートフォリオのリスク・リターン特性の変化を元に戻す効果があります。

 2つ目は、一般に運用のリターンを改善する効果です。先程の例で、株式・債券の価格がそれぞれ元の水準に戻る時の運用リターンは、
 リバランスなし・・・プラスマイナスゼロ
 リバランスあり・・・+2.08%(※)
となります。
(※売買時のコストや税金を考慮しない場合。仮にリバランスによる買付コストを2%、売却時の税金を利益の20%(優遇税制終了後の水準)として計算した場合、リターンは+0.32%になります。)

 トレンドが反転してからのリターンは、リバランスによって株式の比率を減らしてきたことがマイナスを抑制し、逆に債券の比率を増やした分だけプラスを増やしますので、このような運用リターンの差が生じてきます。

リバランスがデメリットになる時とは?
 このように、リバランスは一定の効果を期待できる手法として紹介されることが多いですが、実はリバランスが資産運用上マイナスに働いてしまうケースもあります。どのような点に気を付ければ良いでしょうか。

(1)短期運用資金のリバランスは逆効果
 先程、「トレンドが反転してからのリターンは、リバランスによって株式の比率を減らしてきたことがマイナスを抑制し、逆に債券の比率を増やした分だけプラスを増やした」と書きましたが、逆にトレンドが反転する前=ひとつのトレンドが続く間は、リバランスは逆効果になります。少し考えればわかることですが、ひとつのトレンドが続く間、リバランスはまだ値上がりする資産を売り、まだ値下がりする資産を買う取引をしますので、リバランスをしない場合と比べたリターンは悪化してしまうのです。

 リバランスのリターン改善効果は「ひとつのトレンドが続く間のリターン悪化よりも、トレンド反転後のリターン改善効果の方が大きい」ため成り立つことになりますが、短期運用目的の資金では、リバランスは無視した方が賢明かもしれません。

(2)個別銘柄の深追いは禁物
 「値下がりした分だけ買い増す」このルールに従って買い続けていた会社が倒産してしまったら・・・?
 リバランスはマーケットの循環を味方にする方法ですので、株式でもなるべく幅広い銘柄を持ち、投資先企業の倒産という1回のイレギュラーで大きな痛手をこうむらないよう配慮をすることが望ましいです。
 株式取引のアドバイスには「損失は小さく、利益は大きく」というものがあり、これはリバランスと逆の意味があると考えられます。同じ株式資産でも、投資状況によって、適切な運用スタイルは変わってきます。

(3)コスト
 買い増しや取り崩しのタイミングに合わせてリバランスをする場合は良いのですが、小さなバランスの変化で頻繁に売買型のリバランスをおこなうと、手間がかかる割には1回あたりの効果が薄く、さらに売買コストがかさむ心配もあります。

 いかがでしたか?リバランスは長期的な資産形成を目指す方が、上手に活用すればプラスになる考え方だと思います。上記3つの注意点を確認して、上手に活用してみてください。

 なお、リバランスの実行については自ら売買することでも調整できますが、投資信託のうち、バランス型ファンド(ひとつのファンドで株式・債券など複数の資産を組み合わせて運用するもの)にはリバランス機能がついている商品が多いです。投資信託によってリバランスの方針が異なるため確認する必要がありますが、ファンドマネージャーにリバランスを任せてしまうのも一つの方法ですね。

株式会社 住まいと保険と資産管理
ファイナンシャルプランナー 千葉 悠介
提供:株式会社FP総研


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