J-REITは第2フェーズへの夜明け前!?
2009年11月04日次フェーズの息吹
先月10月のJ-REIT市場は、東証REIT指数(配当なしベース)が5.43%の下落となるなど、軟調な展開となった。
月末の最終営業日となった30日に大きく盛り返したものの、その前日の29日には東証REIT指数が終値ベースで6月16日以来の900ポイント割れとなるなど、ファンダメンタルの弱さに加え、じりじりと上がり始めた長期金利の上昇も意識せざるを得ない展開となっている。
しかし、そうした一方でこの10月は、J-REITの第2フェーズに向けた息吹を感じさせるニュースも立て続けに入ってきた。ここではその中の主なものを、種類別に整理しておきたいと思う。
待望の公募増資
まず、エクイティファイナンス(公募増資)であるが、J-REIT市場では実に1年3か月ぶりとなる待望の公募増資が、日本アコモデーションファンド投資法人(NAF)から発表された。既に29日に募集期間も終了しており、ディスカウント増資などの当初の心配をよそに、非常に旺盛な需要を集めたようである。
NAFの場合、三井不動産という強力なスポンサーを持つという特殊要因もあったが、公募増資と同時に18物件の新規取得(+1物件の売却)を発表するなど、J-REIT市場の本格的な外部成長の復活への息吹を感じずにはいられない。
米国のREIT市場も、既に春頃からこの公募増資をきっかけに息を吹き返してきており、日本においても今回のケースが、他の投資法人への良い波及効果をもたらすことが期待される。実際29日には、ケネディクス不動産投資法人も、公募増資と4物件の取得(うち1物件は追加取得)を発表している。
新しい合併の形
一方、合併による外部成長を目指したのが、29日に発表された日本リテールファンド投資法人(JRF)とラサールジャパン投資法人(LJR)による(合併の)基本合意である。
REIT同士の合併合意としては、アドバンスレジデンス投資法人と日本レジデンシャル投資法人、ビ・ライフ投資法人と(破綻した)ニューシティレジデンス投資法人に続く3件目となる。これまでの2件がいずれも住宅系REIT同士であったのに対し、今回のJRFとLJRでは、商業施設系REIT同士となっているのが特徴である。
日本においてはこれまで制度面の整備が遅れていた為、REIT同士の合併は行われてこなかったが、今後はNAFのように、強いスポンサー力を背景に資金調達できるところ以外のREITにおける外部成長戦略として、様々な合併が見られるようになるかもしれない。
新しいスポンサー
また、投資法人の資金調達の安定化に向けて、運用会社の筆頭株主(スポンサー)が交代するというニュースも相次いだ。
6日に発表されたのが、平和不動産によるクレッシェンド投資法人の運用会社の100%子会社化。そして20日に発表された、MIDリート投資法人の運用会社の筆頭株主が関西電力になるというニュースである。一方、以前から進められている日本コマーシャル投資法人の新スポンサーの選定は、11月末までに決定予定となっている。
暗い夜の後にやってくるもの
こうした一方で、プロスペクトリート投資法人やFCレジデンシャル投資法人など、依然リファイナンスに苦しむREITも少なくない。なんとか資金調達を間に合わせたとしても、非常に厳しい融資条件(プロスペクトリート投資法人ではスポンサー代表の個人保証まで付いている)によるコストの上昇で、分配金の大幅減額に至っている。
また、物件の売却でリファイナンスに充当しているジャパンオフィス投資法人(JOI)も、事情は同じである。23日にはオフィスビル2棟の売却を発表したが、3億円弱の売却損により分配金は大幅減額となった。JOIは9月30日にも、沖縄のオフィスビル1棟の売却を発表したばかりである。こうしたREITにとっては、融資銀行もさることながら、今後は市場からも再編圧力が強まってくるものと思われる。
どんなものにも誕生とその勢いをもって発展する時期があれば、その後に過渡期をもって次なる発展を目指す時期がある。2001年に誕生したJ-REITも、明らかのその第1フェーズを終え、今は次なるフェーズへ向けての過渡期にある。つまり、今は第2フェーズの夜明け前。次に見る朝日はきっと眩しいに違いない。
先月10月のJ-REIT市場は、東証REIT指数(配当なしベース)が5.43%の下落となるなど、軟調な展開となった。
月末の最終営業日となった30日に大きく盛り返したものの、その前日の29日には東証REIT指数が終値ベースで6月16日以来の900ポイント割れとなるなど、ファンダメンタルの弱さに加え、じりじりと上がり始めた長期金利の上昇も意識せざるを得ない展開となっている。
しかし、そうした一方でこの10月は、J-REITの第2フェーズに向けた息吹を感じさせるニュースも立て続けに入ってきた。ここではその中の主なものを、種類別に整理しておきたいと思う。
待望の公募増資
まず、エクイティファイナンス(公募増資)であるが、J-REIT市場では実に1年3か月ぶりとなる待望の公募増資が、日本アコモデーションファンド投資法人(NAF)から発表された。既に29日に募集期間も終了しており、ディスカウント増資などの当初の心配をよそに、非常に旺盛な需要を集めたようである。
NAFの場合、三井不動産という強力なスポンサーを持つという特殊要因もあったが、公募増資と同時に18物件の新規取得(+1物件の売却)を発表するなど、J-REIT市場の本格的な外部成長の復活への息吹を感じずにはいられない。
米国のREIT市場も、既に春頃からこの公募増資をきっかけに息を吹き返してきており、日本においても今回のケースが、他の投資法人への良い波及効果をもたらすことが期待される。実際29日には、ケネディクス不動産投資法人も、公募増資と4物件の取得(うち1物件は追加取得)を発表している。
新しい合併の形
一方、合併による外部成長を目指したのが、29日に発表された日本リテールファンド投資法人(JRF)とラサールジャパン投資法人(LJR)による(合併の)基本合意である。
REIT同士の合併合意としては、アドバンスレジデンス投資法人と日本レジデンシャル投資法人、ビ・ライフ投資法人と(破綻した)ニューシティレジデンス投資法人に続く3件目となる。これまでの2件がいずれも住宅系REIT同士であったのに対し、今回のJRFとLJRでは、商業施設系REIT同士となっているのが特徴である。
日本においてはこれまで制度面の整備が遅れていた為、REIT同士の合併は行われてこなかったが、今後はNAFのように、強いスポンサー力を背景に資金調達できるところ以外のREITにおける外部成長戦略として、様々な合併が見られるようになるかもしれない。
新しいスポンサー
また、投資法人の資金調達の安定化に向けて、運用会社の筆頭株主(スポンサー)が交代するというニュースも相次いだ。
6日に発表されたのが、平和不動産によるクレッシェンド投資法人の運用会社の100%子会社化。そして20日に発表された、MIDリート投資法人の運用会社の筆頭株主が関西電力になるというニュースである。一方、以前から進められている日本コマーシャル投資法人の新スポンサーの選定は、11月末までに決定予定となっている。
暗い夜の後にやってくるもの
こうした一方で、プロスペクトリート投資法人やFCレジデンシャル投資法人など、依然リファイナンスに苦しむREITも少なくない。なんとか資金調達を間に合わせたとしても、非常に厳しい融資条件(プロスペクトリート投資法人ではスポンサー代表の個人保証まで付いている)によるコストの上昇で、分配金の大幅減額に至っている。
また、物件の売却でリファイナンスに充当しているジャパンオフィス投資法人(JOI)も、事情は同じである。23日にはオフィスビル2棟の売却を発表したが、3億円弱の売却損により分配金は大幅減額となった。JOIは9月30日にも、沖縄のオフィスビル1棟の売却を発表したばかりである。こうしたREITにとっては、融資銀行もさることながら、今後は市場からも再編圧力が強まってくるものと思われる。
どんなものにも誕生とその勢いをもって発展する時期があれば、その後に過渡期をもって次なる発展を目指す時期がある。2001年に誕生したJ-REITも、明らかのその第1フェーズを終え、今は次なるフェーズへ向けての過渡期にある。つまり、今は第2フェーズの夜明け前。次に見る朝日はきっと眩しいに違いない。
J-REITアナリスト 円城寺真哉
提供:有限会社イマジネーション
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