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【投資信託 連載記事】セゾン中野晴啓の今日から始める長期投資
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【今回のテーマ】運用なんて好きではない9割の人にこそ

成熟国家では期待成長率が下がり、日本のようなデフレ社会では金利が全然つきません。長期的に避けられないインフレを乗り越えて、自立のための資産形成しようと考えたら、長期運用以外に方法はいくつもありません。

富裕層のための投信から、市民の投信へ

20世紀の日本の投資信託は、お金があって証券会社に通うような、ごく一部の人々に向けての金融商品でした。その面では、アメリカ、ヨーロッパの投資信託とは違う育ち方をしてしまった。

だから、多くのみなさんが自分とは関係ないという気持ちで投資信託を眺めています。「お金もないし、私には関係ない」「そういうアブないものはちょっと……」などと敬遠されてしまう。これが20世紀までの日本での投資信託のイメージでした。

逆に言うと、20世紀の日本は、生活者ひとりひとりに運用も必要なかった。運用をしなくても仕事がありましたし、やっている仕事はすべて右肩上がり、続けていれば給料も上がっていく。自分ががんばっている以上に日本の経済も成長していき、今日より明日が楽しい。そう信じて、1970年以降の日本人は生きてきました。

パチンコ、マージャン、競馬と同じだった

そんな時代のなかでは、投資運用は必須のものではなく、パチンコやマージャン、競馬のようなものです。まとまったお金があったから、これをちょっと増やして、そのお金で飲みに行こうか、という存在です。

投資信託もその延長にあったので、少し上がったら利益を確定して、食事にでも行こうか、というものでした。売る側も「これをいま買うと上がりますよ」とセールスしてきたのです。

しかし、投資信託の特性は、金額が大きくても、小さくても同じ運用ができるということです。

個別株の投資であれば、100万円しかなかったらトヨタの株を買って終わってしまうところを、投資信託で100万円出せばトヨタどころか東芝も日産も三菱電機も買える。大きな船に、みんなで乗って運行していきましょう、というのが本来の投資信託です。

そうだとすれば、これはお金持ちのものではなく、お金があろうがなかろうが誰でも参入できる商品のはずです。

成熟社会に突入した日本で、これを上手に使っていく時代に来ているのです。

成熟国家では運用が必須になっていく

日本は先進・成熟国家になり、いままでとは違って、まったく成長しなくなってしまいました。期待成長率は現在1%台です。どうがんばっても、今後は2%、よくても3%くらいしか成長しないでしょう。それ以上は、まず無理です。

そんな中で、給料も増えない将来小さな政府になっていかざるを得ない社会保障も減る、間違いなく増税──と考えていくと、結論としては、自分で自分の身を守るしかない。

お金を銀行に入れておいても、ご存じのように日本のようなデフレ社会では金利が全然つきません。また、これから長い時間を見通せば、インフレというのは避けられない流れです。インフレを乗り越えて自立のための資産形成をしていこうと思ったら、方法はいくつもない。

その中で、誰でもできるのは、長期でじっくり資産形成することです。

もっと大事な仕事、趣味、生きがいのために

本当に好きな人は、運用を自分でやればいい。けれども、世の中の9割以上の人は、運用なんて好きではないのです。

それよりも、もっと大事な仕事がある、趣味がある、生きがいがある。こういうものを犠牲にしないで将来に向けて運用をするために、一番有効なのが投資信託だと思います。

中野晴啓 セゾン投信社長

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