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【投資信託 連載記事】朝倉智也の2009年投信マーケット展望
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【今回のテーマ】デビュー投資家、日本株インデックスに向かった2008年秋

9月のリーマン・ショックを境に、2008年は人気投信の顔ぶれがガラリと変わりました。前半は新興国債券、後半は日本株インデックスです。 

新興国債券ファンドが夏まで健闘していたが…

2008年に大きく残高を伸ばしたのは、エマージング(新興国)を中心とする高金利通貨建て債券に投資する投資信託といえるでしょう。グロソブなどの先進国の高格付け債券への投資はここ数年人気がありましたが、それに加え2008年はエマージング債券に注目が集まりました。

(グロソブとは、先進国の公的機関が発行する債券=ソブリン債=を投資対象とした投資信託、グローバル・ソブリン・オープンの略)

2007年の夏に世界的に株式市場は暴落し、株式への警戒感が少しずつ強まりましたが、2008年に入っても、中国、インドを中心とするエマージング市場の成長性に対する投資家の夢は衰えず、同じエマージング市場への投資でも、株に比べて比較的値動きが大きくないエマージングの債券が2008年の投信マーケットで注目されました。

オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどの高金利で、しかも高格付けの債券も買われましたが、それとブラジルのレアル南アフリカのランドトルコのリラなどのエマージング諸国の金利の高い債券を組み入れた投信が数多く設定され、投資家の人気を集めました。

一転、日本株のインデックスが人気に

しかし、このブームも2008年9月のリーマン・ショックで止まってしまい、比較的安定感のあった債券ファンドでも、ここ数カ月は解約により資金の流出が起こっている状況です。

ただ、今回のショックというのはジワジワときたわけではなく、2008年10月くらいから、フリーフォールのように急激にきましたので、すぐに解約するというパニック売りはむしろ少なかったのではないかと思います。

いきなりドーンときたので、ここ数年に銀行窓口で購入された投資初心者の方は、実際のところ、何をしていいのかわからなかったのが現実だと思います。

しかしながら、厳しい相場環境のなかでも新しい資金も入ってきました。10月28日に日経平均が7000円を割ったころから、オンライン証券の口座開設数がものすごい勢いで伸びておりますが、これから投資を始める人も結構いらっしゃると聞いております。

では、彼らは一体何を買っているのでしょうか。わりとお金が集まっているのは、日本株のインデックスファンドです。特にコストが低いということで、ETF(上場投信)を買われているかたも結構いらっしゃいます。

なぜインデックスかというと、これから投資を始める人は、いろいろな本を見て研究されていますから、初心者が比較的入りやすいのがインデックスファンドということを知っています。

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個別銘柄をピックアップしにくい環境

もうひとつには、ある程度投資がわかっている人でも、こういった状況で、個別の銘柄をピックアップするのが難しくなってきています。

あのトヨタ自動車パナソニックでも、どうなるかわからない。つまり、今までのように高い収益を上げ続けることが出来るのか。優良銘柄でも、どの銘柄に投資をすればいいのかの見極めが益々難しくなってきました。

ましてや新興市場の銘柄であれば特定の銘柄に手を出すのはもっとこわいので、個別銘柄をピックアップして運用するアクティブ型のファンドには手が出しにくいのです。

その点、日経平均やTOPIXなどの指数に連動する投信はわかりやすくて、銘柄や業種の分散もはかられるということで買われているのだと思います。

市場が大きく動いているなかで、いまはとにかく分散してリスクを出来るだけ抑えておきたいということだと思います。要するに、この先、まだまだ何が起こるかわからないので、インデックスファンドを買っておけば、1銘柄、2銘柄、倒産するところが出てきても、それほど影響しないだろうということです。

2008年全体を総括すると、中盤まではエマージングの債券が人気。サブプライム、リーマン・ショック以降に人気を集めているのが、日本株のインデックスファンドといえるでしょう。

朝倉智也 モーニングスター株式会社代表取締役COO

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