
msnマネー調べのアンケートでは、「ガソリン高騰時に真っ先に家計から削ったものは?」との問いに最も多かった答えが「食費」だった(ガソリン代を除く)。原油や穀物高騰の影響、また世界的な経済危機のあおりを受けて、人々の消費意欲はどんどん萎え、財布の紐は硬く閉じられたままだ。郊外型ファミリーレストランなどは苦戦が続いており、低価格店への転換などを行うことで業績回復を急いでいる。しかし一方で、投資対象として見る外食産業は意外なほど元気で、株価も底固めから徐々に反転にむかいつつあるようにもみえる。果たしてその理由とは……?
今回は、ニッポンのファーストフードの代表格として、幾度も苦境を乗り越え、いつの時代も日本全国老若男女の胃袋を満たしてきた“吉野家”に注目。不遇の時にこそ発揮されてきた彼らの底力を探るとともに、外食・サービス関連業界の今後の事業と将来性をマネーの専門化が分析。これから投資を始めるあなたのライフプランに合わせた投資信託選びに、ぜひ役立てていただきたい。

店内に足を踏み入れただけで食欲をそそられる、ほのかに甘い醤油だれの香り。いらっしゃいませ! の声を受けながら店員さんに注文を告げ、待つこと数十秒。トンと目の前に置かれる牛丼並盛り。丼からは熱々の湯気が立ち昇り、そこに七味をパラリとふりかければ、あとはもうかきこむだけ――
「吉野家の味というのは、“ごはん、たれ、牛肉、たまねぎ”の作り出す絶妙な味のハーモニーだと思います。これはもう、常に研究を欠せないんですよ。“薄すぎず・濃すぎず・甘からず・辛からず”という、『明日も食べたくなる牛丼』を目指しています」
そう語るのは、株式会社吉野家ホールディングス 社長室広報担当 木津治彦氏だ。学生からサラリーマンまで、あらゆる日本人から愛されている吉野家の牛丼。現在14万5000名ほどいる株主は、その約99%が個人株主(株数比率は約53%)で、株主総会では味やサービスへの意見が飛び交うという。株主=ファン、という図式も吉野家ならではだろう。
その昔には、急激な拡大路線により経営破たんも経験。直近では、不意打ちのようなBSE事件も記憶に新しいところだ。世界中の人々に愛される日本生まれのファーストフード“吉牛”は、いかにして幾多の挫折、大ピンチを乗り越えてきたのか? 日本の外食産業の雄へと成長を果たした吉野家の強さとは? その秘密を探ってみたい。

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