
先進国にせよ、新興国にせよ、どちらにしても医療の問題は、時代がいくら進歩しようが、人間の生死に関わるだけに尽きることがない。がんによる世界的な死亡率の増加、いつ起こるかも知れない新型インフルエンザの集団感染による世界的パニック阻止は、取り組みを強化すべき喫緊の課題だ。 株式市場において医療分野は、“新薬開発!”のようなビッグニュースでも聞こえてこない限り、一般的にはディフェンシブ銘柄として、株価的にはアップダウンに乏しいセクター、というのが通例だ。しかし今日のように暗く荒れた市場環境の中で力を見せるのは、こういった確固としたワークフィールドを持つ企業でもある。今回は、化学から精密まで幅広いフィールドで挑戦を続ける富士フイルムに注目する。写真分野で長年培ったテクノロジーを多様な事業に応用展開させることに成功した企業風土とそのビジョン。高度な精密機器で医療事業へ切り込んでいった後もなお、様々なカテゴリーへと進出していくそのバイタリティを感じてほしい。合わせて、精密機器、医薬・医療セクターへの投資事情と将来性をマネーの専門家が分析。これから投資を始めるあなたの、ライフプランに見合った投資信託選びに、ぜひお役立ていただきたい。

まず一言。富士フイルムは、写真フィルム事業で断トツの国内最大手。「お正月を、写そう♪」などのCMでおなじみだ。フィルムメーカーとしての強烈なイメージは、いまだ圧倒的だろう。確かに1934年(昭和9年)創業以来、国策ともいえる映画用フィルム・カラーフィルムの製造に始まり、写真フィルム業界において国内で圧倒的なシェアを誇り、世界首位の米国コダック社に“追いつき・追い越せ”と躍進を続けてきた。
しかしご存知だろうか。写真フィルムメーカーでありながら、1988年、デジタルカメラ第一号機を世界で最初に発表したのは、実は富士フイルムだった。また、医療の分野でも「FCR(フジコンピューテッドラジオグラフィー)」というデジタルX線画像診断システムを1981年に世界に先駆けて開発。それらを実現するのに大きな役割を果たしたのは、写真分野で長年培ってきたファインケミカル、オプティクス、エレクトロニクスなどに渡る幅広い技術ストックだった。
今回は革新的医療機器であるデジタルX線画像診断システム『FCR』、『デジタルマンモグラフィ』、『医用画像情報ネットワークシステム SYNAPSE』などで躍進するメディカルシステム事業と、08年3月に行われた富山化学の買収で話題になった医薬品、『アスタリフト』を中心としたヘルスケア商品を統括するライフサイエンス事業にスポットをあて、開発当初からコアメンバーとして指揮を取ってきた三氏にお話を伺った。

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