
投資においてビール系飲料を含めた食品セクターは、総じてディフェンシブ的な要素が強い、というのが株式市場では普通の見方だ。しかし国内で圧倒的なシェアを握り、そのブランドが海外へ進出する、となると話は別だろう。今回は、ジャパンビールのトップブランド『アサヒスーパードライ』で世界へ躍進するアサヒビールに注目。87年3月の誕生以来、圧倒的シェアで愛飲され続ける日本初の辛口生ビール『アサヒスーパードライ』が、革命的大ヒット商品となったのは周知の通りだ。その後も、単なる大ヒット商品として満足することなく、さらにブランド力を強化。拡大展開に励み、いまや世界に通用するジャパンビールとして『アサヒスーパードライ』を成長させてきたアサヒビール。そのダイナミックな企業風土とビジョンを探ると同時に、食品セクターへの投資事情と将来性をマネーの専門家が分析。これから投資を始めるあなたの、ライフプランに見合った投資信託選びに、ぜひお役立ていただきたい。

今から20年前―― 日本は世界の歴史でも稀有と言われる、空前のバブル経済全盛期を迎えていた。89年12月29日、東京証券取引所。株価は4万円にあと少しという、3万8915円87銭に達し、日経平均株価の最高値を記録。当日東京の全ての土地を売れば、アメリカ全土が買えたといわれる、伝説の1日となった。現在40歳を超えている方なら、バブル当時の東京の夜を、それこそ鮮やかに思い出せると思う。夜の帳が下りれば、どこのレストラン、バー、居酒屋も、それこそ人人人の人だらけ。男も女も老いも若きも、生ビールが並々注がれたジョッキを手に持ち、よく飲み、よく食べ、よく語らった。未来への不安などこれっぽっちもない、“我らが時代”があの時、たしかに日本にはあった。
あのバブルの熱気と歩を合わせるかのように、「スーパードライ」で革命的急成長を果たしたアサヒビールは、今年09年、創業120周年、会社設立60周年という大きな節目の年を迎える。しかし業界は、「少子高齢化」、「アルコール離れ」、「景気減速」のマイナス要素が目立つ。そんな中にありながらアサヒビールの成長路線は、このような逆境を苦にしないようだ。ビール系飲料国内首位を8年連続で獲得し、その勢いのまま世界へと進出していくバイタリティ。今回は、多角的に世界へと展開していくM&A戦略等を中心に、スーパードライを世界に広めるため海外事業スタート当初から、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジアなどを駆け回り、部隊の中心メンバーとして指揮をとってきた、現国際本部 副本部長 中井正史氏にお話を伺った。

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