

1973年のオイルショックを受けたサンシャイン計画、1994年の助成金制度、そしてフィードイン・タリフ制度(再生可能なエネルギーで発電した電気を買い取るドイツで始まった制度)。太陽光発電の市場が拡大するときには、いつも国家の政策が背景にあった。でももしそれが無くなったら? 今後の生き残りをかけた競争を、どんな技術で戦うのか――
「私たち京セラが目指すものは、コスト、クオリティ、パフォーマンス、全てがバランスよく揃っていて、かつインパクトのある企業であること。だからこそ、我々は多結晶型でまだまだいきますよ。実際これに勝る方式は、“今のところ”ないと確信してます」
京セラの多結晶型太陽電池は、量産品のセル変換効率が16.5%。最も効率が良いとされている単結晶と比べても遜色がない。さらに、この規模では世界最大の一貫生産体制を組んでおり、原料のシリコンだけを外部より仕入れる、という徹底ぶりだ。
「今は、シリコン使用量の少ない“薄膜型”や、シリコンを使わない“色素増感型”など、日々新しい技術が生まれています。薄膜型へと移行する動きもありますが、原料のシリコンが品薄で、入手が難しくなっていることにも原因があるでしょう。でも私たちは、それに対して一足早く国内や世界のシリコンメーカーと長期契約を結んでいます。もちろん、薄膜型の研究も現在活発にしていますよ。ただ、薄膜型は多結晶型より安価だが、変換効率は圧倒的に多結晶型の方が優れている。購入時は多少お金を払っても、電気をいっぱい作ってくれるので、トータルとしてこちらの方が安くなる、ということです」
2007年、京セラのソーラーパネルを使用して、スペイン・サラマンカ市に超大規模太陽光発電施設“プランタ・ソーラー・デ・サラマンカ”が建設された。このような太陽電池だけを使用した巨大発電所が今後も増えていくだろう、と池田さんは予測する。
「これからこの業界の、本当のサバイバルが始まるんです。その競争の中で、太陽光発電事業は国の政策から自立した産業として、成長していかなければならない。その中心的存在として、日本企業が、そして私たち京セラがこの分野を支えていかなければならないと思っています」
パイオニアとして、あくまでも冷静なその眼差し。今後の太陽光発電事業と、世界の中で底力を発揮し続ける京セラはじめニッポン企業の活躍から、この先も目が離せない。
今回お話を伺ったのはこの方
京セラ株式会社 ソーラーエネルギー事業本部 マーケティング部責任者
池田 一郎さん


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