

「最悪の場合は国家崩壊の恐れすらあります」。10月6日深夜、世界金融危機に際し、国内のすべての銀行を国有化する法律を成立させたのち、アイスランド・ハーデ首相はテレビでそう語った。国有化された大手3行の負債総額はおよそ20兆円あまり。そして同21日、「アイスランド・カウプシング銀行がサムライ債の利払いできず」の衝撃ヘッドラインが世界を駆けめぐった―― このニュースを第5位に選んだプロたちの意見は、「金融国家の終焉」「金融危機が国家財政まで破壊させてしまう衝撃的事件」「アイスランドは、舵取りを間違えた金融立国として象徴的な国になった」「“次はどの国が”という恐怖心を煽り、負の連鎖を引き起こす可能性がある」など。国家破綻の危機を強い衝撃として受けとめながら、負の世界的スパイラルがアイスランドから始まる予感を感じているようだ。

大西洋北部に浮かぶアイスランド島の全領域を占めるアイスランド。首都はレイキャビク。その国土は日本の北海道より少しだけ大きいというもので、人口はおよそ30万人。金融破綻をむかえるまで、アイスランドは国民1人当たりのGDPで日本をも上回る数字を誇っていた。しかし今、“極北の金融国家”の栄華は終焉。急速に進むインフレや失業、自国で沸き起こる金融危機への対応に不満を抱いた民衆約2000人が、ハーデ首相や中央銀行総裁の辞任を求め、怒号とともにデモ行進する姿がニュース配信されたのは記憶に新しいところである。

MSNマネーユーザーの選ぶ第5位は、今だにマスコミ・世間を賑わせ続ける食の安全問題。毒入り餃子のような事件性の高いものから、産地や製造年月日などの偽装まで、連日の報道によって頭に刷り込まれたこの問題は、ある意味一般市民への浸透度ではダントツかも知れない。世界に渦巻く金融危機が勃発した今、多少その影も薄くなってはいるが――。 「前々から不安のあった中国製品だが、今回の事件で不信感が爆発した」「食べ物くらい安心して買いたいし食べたい」「表面化していないものがもっとありそう。知るのがコワイ」「食品を買うとき、中国製かどうか確かめるようになった」というように、MSNマネーユーザーからは中国製品への不信感、普段の食生活への不安を感じている意見が集まった。 これに対しプロたちからは、「中国におけるずさんな生産管理と日本が強要するコスト削減がもたらした悲劇」「国内生産だけでは物価上昇を招く」など、多様な広がりを見せている食の安全問題を経済の本質に絡んだ目線で見ているようだ。

食料は人間が生きていくための基本です。しかし昨今日本では、その食料に対して、製造年月日や産地を偽装したり、冷凍ギョウザに農薬が混入していたりと、大小問わず様々な問題が浮上しています。我が家の食卓に直結するより身近な問題として、多くの人たちが不安感を募らせている中、今年1年間に流れた食品関係のニュースでは、食を預かり生業としている人たちの倫理観の低さが露呈し、唖然とさせられました。信頼を失った産業は、没落していくより仕方ありません。そういう意味では、世界を渦巻く現在の金融問題も同じ。そして失った信頼を回復するためには、多くの時間と努力が必要なのです。
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