
宮入「ところでみなさん。ちょっと話題は変わりますが…… もうすでにご存知だとは思いますが、アメリカ大統領選挙、見事民主党のオバマ氏が勝利しましたねえ。今、黒人初のアメリカ大統領誕生に世界中が沸いています。オバマ氏の主なマニフェストは、“金融関連では徹底した規制強化を行い、これによって経済を建て直して上向きにする”。生活レベルでは、“社会保障や福祉、税制軽減など、弱者救済のために策定し直す”ことをうたったオバマ氏が、アメリカ市民に支持された格好となったわけです」
齊川「アメリカでは5日の朝刊が全部売切れた、なんていう話も聞こえてきて、新大統領への期待の大きさを感じました。実はわたしもオバマさんを応援してたので、なんとなく嬉しかったなあ(笑)」
ハコ「ボクも嬉しかったけど、当のオバマさんは大変だよなぁ、これからが…… 世界中から、アメリカ再建を期待されて大統領になったわけだから」
宮入「そうですね、なんといっても“チェンジ”を標榜して、登場してきたわけですから。チェンジと言えばですね、ここで大きく潮目が変わったものが皆さんの身近にあるんですけど、それにはお気づきですか?」
齊川「オバマさん勝利で、私の身近な何かが変わったんですか? 何だろう…… そんなものあるんですかねえ?」
宮入「ハコさんが先ほど、世界やマーケットからアメリカ再建を期待されて大統領になったって言ったことが関係してるんですよ」

宮入「つまりですね…… こちらをご覧下さい(上記図解参照)。これは、ここ1週間の日経225とNYダウの動きです。10月後半にクライマックスをむかえた金融危機から11/4の大統領選まで。そして、11/5のオバマ氏当選以降の動き。さあ、よく見てください。株価はどうなってますか?」
ハコ「おお? 上がってるじゃないですか! 10/28に、日経平均が一瞬7000円を割ったときはさすがにゾッとしましたけど、それ以降は着実に上昇してますね。でも、11/5以降は下がり始めている……。先生、これって大統領選の影響なんですか?」
宮入「そうだと思います。そして、こういった株価の動きを“なぜ”と思い直して分析していく目こそが、投資家には大切なんですね。お二人のポートフォリオも確認してみてください、きっと購入時点より、11/4の方が基準価格が上昇しているはずですよ。これは“オバマ効果”と言っていいのではないでしょうか。つまり、マーケットが望んでいた人物がアメリカ大統領に当選するだろうと先読みし、その後の経済効果を期待した、その動きを表していると思うんですね」
齊川「なるほど! オバマさんが勝利することで、金融危機や経済対策がいい方向に前進するだろうと予想されているんですね。投資家たちが、オバマ大統領誕生を好印象で受け止めていることが、市場に現れているわけなのね…… 面白いですね。でも、その後下がってしまったのは何でかなあ?」
宮入「おそらく、次期財務長官人事を含めたオバマ氏の経済政策を見極めたい、という意思の現れなのでしょう。見事大統領に当選したオバマ氏は、さっそくその手腕を試され始めている、というわけですね」
ハコ「オバマさんは、これから大変ですねえ……」
宮入「ご自分のポートフォリオの上昇とオバマ氏当選の関連性。こんな風に、世界で起こることと投資は、すべてが繋がっているんですね。春に巻き起こった原油価格の高騰にしてもそうです。原油が上がるとどうなるか。例えば、物流や海運業に代表される、燃料を使って仕事をしている企業がまず打撃を受けますね。いつもなら100円の輸送費で運べたものが明日から150円かかったら、それはもちろん利益が減るわけですから……。すると、そういう企業の株価が下がる、というわけです。このように、世界の動きと株式に代表される投資商品は、すべてが密接につながっているのです」

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