
ハコ「ええ~! 失敗の可能性が高いんですか? それはぜひ、安全な方法を教えてください、先生~」
宮入「まあまあ、落ち着いて。ルールというのはですね、『ここまで下がったら、必ず思い切って乗り換えをする』というボーダーラインを、必ず決める、ということです。損切りとは、簡単に言ってしまうと、“損を覚悟で処分すること”。たとえば、価格の下がり続けている商品を『今は下がっているけどいつかまた、持ち直すかもしれない……』と期待を抱いて、いつまでもダラダラと持ち続けていると、結果的に大きな損につながる可能性があるんですね。だから、『ここまで下がったら切る』という固い意志が必要なのです」
齊川「それは大事なルールじゃないですか! でも、一体どんなボーダーを決めればいいんでしょう。全く想像もつかないんですけど」
宮入「そうですね。まあ、人それぞれ投資方針や戦略がありますから、あくまでこれはわたし個人の意見ですが、現在の社会情勢を見れば、10%の上昇、もしくは10%の下落で、いったん売ってしまっていいと、わたしは思っています。せっかくしっかりとしたポートフォリオまで組んで、リスクも分散しながら取組んでいる投資なのですから、プラスになったらしっかり利益を確定して、マイナスのときでも傷は浅く、という慎重さが大切だとわたしは思っています」
ハコ「それは、日々の値動きをチェックしていく中で、臨機応変に判断して、行動する、ということですよね。僕にできるかな~」
宮入「この講座の最初の頃にもお話したかもしれませんが、投資は基本的に、自己責任。ですから、投資家それぞれが自ら、臨機応変に対応していくしかないんですよ。行動しなければならないときに、しっかり行動する。そこでの対応の仕方次第で、その投資家の実力が試されると言っても過言ではないでしょう」

ハコ「実力が試される、か…… そうですかそうですか。そのためにも日々の銘柄チェックは欠かせませんね、これは」
宮入「そうです! その調子ですよハコさん(笑)。急なリバランス作業が必要なければ、日々の銘柄ウォッチを続けていけばそれでいいんですから。でも1年経ったら、この銘柄は持ち続けていいのかどうか、という感じで、そのときの社会情勢なども考えながら、銘柄が持っている現在のパフォーマンスのチェックだけは行ってくださいね。もちろん問題がなければ継続してもいいですし、1年経って基準価格が下がっていて、今後こちらのほうがもっと上昇しそうだと思える銘柄があったら、そちらに乗り換えてもらっても全然いいんです。ですから2009年の年末になったら、各自銘柄のクリーニングを行い、リバランスをするかしないか、しっかり考えていけばそれでいいと思います。それと年に1回郵送されてくる運用報告書にも必ず目を通してください。投資家もリバランスしますが、投資信託の組入れ銘柄も、不調なものはリバランスしますからね」
齊川「そうか…… リバランスって大事ね。そうやって“10%ルール”で銘柄を売買しながら、これから力を発揮しそうな銘柄に乗り換えていけばいいのね。手数料だって安いものばかりチョイスしてるんだから、そんなに抵抗もないわよね」
ハコ「でも先生…… 僕も齊川さんもまだ未経験だけど、10%下がってマイナスを確定することって、ある意味敗北宣言というか、負けを認めるというか、つらい作業ですよねえ」
齊川「確かに…… たとえ少しだけでも損しちゃうんですもんね。ちゃんと迷わず判断できるかなあ」
宮入「まあ、損切りの悔しさは、あえて経験者としてここでは語りませんが(笑)。でも厳しいことを言うようですが、この損切りができないと、いずれマーケットから退場しなくてはいけなくなるでしょう。それくらい大事な作業なんですね、損切りというものは」

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