第9回 私たちの生活と経済
私たちの日常生活と経済活動
前回まではライフプランからマネープランを立てることの重要性について考えてきました。
今回からは、経済・金融活動と私たちの生活とのかかわりについてお話していきましょう。
まず最初に、私たちの身近な生活そのものが経済活動とどのようなかかわりを持っているかについてご説明します。
経済活動の基本は限りある資源のやり取り
私たちは日常生活においてさまざまなモノやサービスを消費しています。
しかし、モノやサービスは人間の欲望をすべて満たす数量が提供されるわけではありません。
このように需要に対して供給が相対的に不足している状態を「希少性(Scarcity)」といいます。
したがって社会全体にとって、財やサービスをどのように「配分」するか、また個人にとって何を「選択」し、何をあきらめるかが、経済の問題となってきます。

何かを「選択」し、何かをあきらめる、という状態を「トレード・オフ」といいます。
多くの経済問題ではこの「トレード・オフ」をどのように解決するかが大切です。
この際、あきらめることになった部分、つまりそちらを選択すれば得られたであろう満足の大きさのことを 「機会費用(Opportunity Cost)」といいます。
通常は、費用(コスト)というと、実際に支払った金額だけを考えがちですが、経済的な選択においては、「得られる利益(Benefit)」と「直接かかる費用」+「機会費用」を比較することが大切です。

個人の経済活動
私たちは個人としてさまざまな経済活動に携わっています。
まずひとつには労働力を提供することにより生産活動に参加しています。これは生産者・労働者としての側面です。
そしてこの労働・生産によって所得を稼ぐ所得者という側面もあります。また稼いだ所得を元にして、モノやサービスを購入して消費します。これは消費者としての側面です。

生産者がたくさんのモノを生産したり、労働者がたくさん働いたりすれば、社会の中に生産されるモノは増えます。
生産されたモノを消費者がたくさん消費すれば、モノを販売する会社の収益が増加し、その結果働いている人の所得が増えることが期待されます。
このように、個人のさまざまな側面での活動が集合した結果が、経済全体の動きに大きく関わっているのです。
生産、分配(所得)、支出などの活動において、私たちはさまざまな選択を行いますが、このとき前述した「トレード・オフ」の考え方が基本となります。
例えば、限られた所得の中で一番満足の得られるような消費をする選択をしたり、生産において少ないコストで効率的な生産を行おうとしているでしょう。
経済活動においては最適な生産活動や支出活動を決める際に「価格」が重要な役割を果たしているのです。では次に、この「価格」の決定について見ていきましょう。
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