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第14回 信託とは何か

信託とは何か

金融商品の第二回目は「信託」についてです。「信託」のしくみは金融商品以外にも活用されており、用途の広いものです。ここでは、「信託」の中でも個人向け金融商品である「金銭信託」を中心に説明します。
まずは「信託」の全体像から見ていきましょう。

「信託」の定義

「信託」という言葉を辞書で調べると
(1)「信頼して政治などを任せること」
(2)「財産を持っている人がその権利を相手に移転して、その管理や処分を任せること」
という意味があります。(1)の意味を表す言葉として、例えば、日本国憲法の前文には次のような文章があります。

また(2)の意味の「信託」についてですが、日本では1922(大正11)年に「信託法」という法律が制定され、「信託」が制度化されました。
信託法は、信託の定義や信託の仕組み等を定めた法律で、2006年12月に抜本的な改正が行われています。(1年6ヵ月以内に施行される予定)。
新「信託法」での「信託」の定義は以下のようになっています。

「信託」のしくみは、この定義に基づきます。
すなわち、「特定の者」とは受託者である信託銀行などを指します。
また「一定の目的」は、信託ごとに「財産を増やす」「管理する」「公益目的」「贈与」など設定されるものです。

信託のしくみ

一般的な信託のしくみを図で示すと次のようになります

信託においては、「委託者」「受託者」「受益者」の3者が登場します。
まず「委託者」は財産を信託する主体となります。
その財産の管理・処分・その他必要な行為を「受託者」が行います。受託者としては「信託銀行」が代表的です。
信託利益を受け取る権利(受益権)を持つのが「受益者」になります。

実際には、「委託者」=「受益者」になることもあります。これは、自分の財産を受託者に信託して、その利益を自分自身が享受するもので、一般の金融商品を購入するのと同じような行為といえます。
新「信託法」では、委託者が自ら受託者となる「自己信託」や、受益者の定めのない「目的信託」などの類型も創設されています。

コラム 投資信託も「信託」の一種?

信託契約によって成り立っている「投資信託」は「信託」のしくみを踏襲していますので、「投資信託」も広義の「信託」といえます。
まず、投資信託のうち、委託者指図型といわれるタイプでは、委託者(投資信託委託会社)と受託者(信託銀行等)の間に信託契約が結ばれます。受託者は、委託者の指図にしたがって有価証券の運用を行い、運用による損益は、受益者である投資家が受け取ります。
投資信託には委託者非指図型というタイプもありますが、この形態では投資家が委託者兼受益者となり、受託者が資産運用を行います。ただし、委託者非指図型投資信託では、有価証券を主要投資対象とすることが認められていませんので、不動産や金銭債権、金銭信託などが主な投資対象となります。

信託の主な機能

・財産管理機能

財産の管理処分権が受託者に与えられます

・転換機能

信託財産が信託受益権という権利になり、信託の目的に応じた形に転換できます

・倒産隔離機能

信託財産は、委託者および受託者の倒産の影響を受けません

信託財産の種類

信託できる財産の種類については特に制限なく、財産権一般が対象となります。

受託者の義務

受託者は信託法上さまざまな義務を負っていますが、中心的な義務として次の3つが挙げられます。

・分別管理義務

受託者は、信託財産を自己の固有財産やその他の信託財産と分けて管理する

・忠実義務

受託者は、受益者の利益のためにのみ行動し、受託者と受益者の間に利益が相対立する関係を生じないようにする

・善管注意義務

受託者は、信託の目的に従って専門家としての能力を発揮し、善良な管理者の注意をもって信託事務を処理する

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