第15回 債券の基礎知識
債券の基礎
第13回・第14回は、「預貯金」「信託」という間接金融の金融商品についてお話しました。
ここからは直接金融による資金調達である有価証券に関してご説明していきましょう。
今回は「債券」についてです。
債券とは
債券とは、国、地方公共団体、政府関係機関、事業会社、金融機関などが、広く一般の投資家から、資金を調達することを目的に発行するものです。
債券では、満期日(元本が返済される日)や支払われる利子の率(利率)などがあらかじめ定められています。

債券の発行者(=発行体)は債務者であり、価格・額面・利率・利払日・満期日などを定めたうえで、債券を発行します。債券に投資して保有する投資家は債権者にあたります。

債券を保有する投資家は、定期的に利率分の利子を受け取り、満期日を迎えると額面金額である償還金および利子を受け取ることができます。
債券は、このように元利払いが確定していることから、「確定利付証券」ともいわれています(ただし、発行体が破綻した場合など、元金や利子が支払われない場合もあります)。
債券の発行条件
額面
債券では10万円、100万円といった金額が基本単位となっており、これを「額面」といいます。例えば、通常の国債の最低額面は5万円、個人向け国債は1万円、15年変動利付債は10万円、等となっています。
利率(=表面利率、クーポンレート)
額面に対する1年当たりの利子の割合を「利率」といいます。
日本の債券は、大半が年2回、半年ごとに利払いがあります。
以前は債券の券面に利札(クーポン)が付属していたことから、利金を「クーポン」、利率を「クーポンレート」等と呼ぶこともあります(現在の債券では、原則券面の発行は行われていません)。
債券の中には利子が支払われないものもあります。利子のない債券を「割引債(ゼロ・クーポン債)」といい、利子が支払われる債券を「利付債」といいます。割引債では利子がない代わりに、発行価格を額面よりも低くし(割引発行)、その差額が投資家にとっての収益になるよう、設定されています。
コラム 債券の「経過利子」って何?
利払い日と利払い日の間で債券を売買したときには「経過利子(経過利息)」が発生します。

この債券を保有していたAさんは、1/20のクーポンをもらった4ヵ月後の5/20に債券を売却することにしました。そうすると4ヵ月間は債券を保有していたのに、7/20にもらえるクーポンを1円も受け取ることができません。したがって、売り手であるAさんは、売却代金に加えて4ヵ月分の経過利子を受け取ることになります。
逆に、5/20にこの債券を購入するBさんは、7/20に半年分のクーポン全額受け取ることができますが、本来は2ヵ月しか保有していません。したがってあらかじめ4ヵ月分のクーポンは、それまで保有していたAさんに支払い、7/20に6ヵ月分のクーポンを受け取ります。
単価
債券の価格は通常、額面100円当たりで表示されます。
最初に発行されるときの単価を「発行価格」といいます。発行価格は一般的には100円に近い水準で決められますが、100円ちょうどとは限りません。
その後、債券の価格は市場の金利動向によって変動していきます。
債券価格が100円ちょうどの状態を「パー」、100円超を「オーバーパー」、100円未満を「アンダーパー」といいます。
償還期限(満期)
償還期限とは、元金が償還される期日のことです。償還日(満期日)には、額面金額が投資家に返還されます(利付債であれば、最後の利子もプラスされます)。
債券の償還には、最終償還と期中償還の2種類があり、一部の債券では期中に抽選償還や買い入れ消却、繰上げ償還などが行われることがあります。
債券の発行価格や購入時の単価が100円未満で、償還価格が100円の場合は、償還差益が発生します。逆に100円以上で購入した債券の償還価格が100円の場合は、償還差損が発生します。
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