第16回 株式投資の基礎知識
株価変動要因と相場指標
株価変動要因
株価は、基本的には他の商品と同様に需要と供給のバランスによって決まります。
第9回私たちの生活と経済 ページ3 需要と供給による価格決定
すなわち、需要(買い)が供給(売り)を上回れば値上がりし、供給(売り)が需要(買い)を上回れば値下がりします。
株価は経済や社会の動きを映す鏡といわれるように、株価の変動には無数の要因が複雑に絡み合っています。
以下では概念的に「市場全体に対する株価変動要因」と「個々の企業に対する株価変動要因」の2つに分けて、代表的な株価変動要因をご紹介します。
※ いずれも一般論であり、該当する銘柄の価格上昇を保証するものではなく、また特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
(出所)東京証券取引所「株価変動要因」
市場全体に対する株価変動要因
(1)金利と株価
一般に、金利が下がると株価は上がり、金利が上がると株価が下がる傾向にあるといわれます。
まず、金利引下げなどの金融緩和策がとられると、市場に出回る通貨の量が増えて、その一部が株式市場に流入して株価を引き上げる傾向が強くなります。
逆に、金利引き上げなどの金融引き締め策がとられると、市場から資金が引き上げられ、株式の買付資金減少につながり、株価を引き下げる可能性が出てきます。
また投資家側から見ると、金利が低いときには預金や債券の利回りが低いため、高い投資収益を求めて株式を買う人が増え、株価上昇につながると考えられます。
逆に金利が高いときには、利率の高い預金や債券を購入する人が多くなり、株式投資を行う人が減少して、株価が下がる要因となると考えられます。

(2)為替と株価
円高・円安といった為替の動向も株価に影響を与えることがあります。
ただし、為替の動向にはプラス・マイナス両面があります。
まず円高(外貨安)傾向が期待されるときには、為替差益をねらって外人投資家が日本株投資を増やすことが考えられます。また円高対策で政府が金利を引き下げる金融緩和策を行ったり、外人投資家による日本の債券購入などが行われれば金利低下要因となるため、株価の上昇につながるといわれます。
その他、輸出企業の株価にとって、円高はマイナス、円安はプラスの影響を与えると考えられますし、輸入中心の企業にとってはその逆となります。
(3)政治と株価
景気刺激策など経済政策を決定する政府の考え方も株価に影響を与えます。
特に不況時にはどのような財政政策を行うかが、株価の上昇・下落要因となります。
また政権争いや政界スキャンダルなどの政治の混乱は、経済政策の実施の遅れにつながると連想され、株価にマイナス要因といわれます。
(4)国際情勢と株価
国内だけでなく国際情勢も株価に影響を与えます。
過去において海外の大幅な株価下落が、連鎖的に日本の株式市場に大きく影響を与える事例がいくつか見られました。
また海外における戦争や政治的不安定も日本の株価にマイナスの要因となると考えられます。
(5)天候と株価
天候や自然災害なども株価に影響を与えることがあります。
例えば地震などの大きな災害は、被害にあった企業にとってはマイナスですが、災害の復興需要を見込んで建設や土木関係の株価が高くなることもあります。
また、異常気象などが株価に影響を与える場合もあります。例えば夏に猛暑が続いた場合、ビールや清涼飲料、水着やエアコンなどの売り上げが増えることから、これらのメーカーの株価が上がることもあります。
※ いずれも一般論であり、該当する銘柄の価格上昇を保証するものではなく、また特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
(出所)東京証券取引所「株価変動要因」
個々の企業に対する株価変動要因
(1)企業業績と株価
個々の企業の株価に最も影響を与えるのは、その企業の業績です。
業績が良い企業、これから良くなると思われる企業の株価は上昇します。
企業業績としては、決算時に発表される売上高や利益の額等があります。
特に、株価は企業の将来収益を表すといわれるように、業績が上向くとみれば、株価は上昇し、業績が下向くとみれば株価は下落する傾向があります。
(2)増資や株式分割と株価
「増資」とは企業が新たに資金を調達するために株式を発行することです。
増資は資本金の増加につながり、企業の財務体質が強化されるため、通常株価のプラス要因といわれますが、一方で純利益が変わらなければ、発行済み株式数が増えることによって1株当たり利益は減少します。
また資金の払込みを受けずに新たな株式を発行し、その新株を株主に割り当てることを「株式分割」といいます。
株式分割は、その分割比率に応じて株価が下がることから、投資家は投資がしやすくなると考えられます。また配当金が分割後も同水準の場合には、実質的に増配となるため、一般に株価にプラス要因といわれます。
(3)人気と株価
このようにさまざまな株価変動要因がありますが、株価はこれらの理屈だけでは説明できない動きをする場合があります。
そのひとつの要因が人気です。
株価は、需要と供給のバランスによって上下しますので、投資家の人気が高いかどうかによって左右される面があります。
※ いずれも一般論であり、該当する銘柄の価格上昇を保証するものではなく、また特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
(出所)東京証券取引所「株価変動要因」
代表的な相場指標
個々の株式は、価格が値上がりするもの、値下がりするもの、さまざまありますが、株式相場全体の値動きをひと目で分かるように表す相場指標がいくつかあります。
(1)単純平均株価
単純平均株価とは対象となる株価を合計して、銘柄で割ったものです。
市場全体の平均的な株価水準を知ることもできますし、前日と比較すれば相場全体が値上がりしているかどうかがわかります。
ただし単純平均株価では株式分割などによる株価の権利落ちが修正されていない、など、株価の連続性が保たれないという欠点があります。
(2)日経平均株価(225種)
日経平均株価(225種)(以下、日経225という)は、東京証券取引所第1部に上場している銘柄のうち代表的な225銘柄の株価を平均し、かつ連続性を失わせないように株価の権利落ちなどを修正した平均株価です。
1949(昭和24)年から継続している相場指標で、以前は「東証ダウ平均」などといわれていた日本では代表的な株価指数です。
日経225には次のような特徴があります。

(3)東証株価指数(TOPIX:トピックス)
東証株価指数は、東京証券取引所第1部に上場している全銘柄を対象にする時価総額指数です。
1968(昭和43)年1月4日の時価総額を100として、当日の時価総額がいくらになっているかを示しています。
時価総額は、株価に上場株式数を掛けて算出されます。
TOPIXは日経225と比較して次のような特徴があります。

なお、通常のTOPIXは配当が加味されていませんが、東京証券取引所ではこれとは別に、1989年から「配当込みTOPIX」も発表しています。「配当込みTOPIX」は、年金など機関投資家の株式運用のパフォーマンス測定基準として利用されています。
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