第23回 日本の税制の概要
日本の税制の考え方と法体系
「ライフプランからはじめよう」では、ライフプランやマネープランの作成に関してご説明した後、資産運用に関する基礎知識についてお話してきました。
今回と次回は、ライフプランにも資産運用にも関連がある「日本の税制の概要」「投資に関わる税金」についてご説明します。
ライフプランにおける税金の知識の必要性
私たちが生活していく上では、所得、保有資産、モノやサービスの購入時など、生活のさまざまな場面で税金がかかります。したがって、ライフプランを立てる上でも、税制の全体像と、自分にかかわる税金の知識を持っていると有用です。

また税制には控除や特例などがありますので、時期や金額、内容等によって、複数の選択肢が存在します。
このような場合には、自分のライフプラン実現のために控除や特例を活かして、どの方法が最も適切かを計画的に選択していくことが大切です。
個人のライフプランという視点にたつと、まずかかわりが大きいのが所得税および個人住民税でしょう。所得にもいろいろな種類がありますし、場合によっては、相続税や贈与税がかかるケースも考えられます。
そして、日々の消費行動の際には、消費税や酒税、たばこ税等が課せられています。
その他、ライフイベントによっては、自動車税、不動産取得税、固定資産税などが個人のライフプランの中で関わってきます。
一方で税制は固定されたものではありません。そのときどきの人口構造や経済情勢、雇用形態の変化、などさまざまな社会の変化に応じて、税制は見直されていきます。
このような社会情勢や税制の動向も踏まえながら、長期的な観点から見て有効なライフプランニングを行なうことが求められています。
日本の税制に関する法体系の概要
税金は、社会福祉、教育、警察、国防、社会資本の整備などさまざまな公共サービスのために必要な資金を、国民の財産から徴収して国家に移す趣旨のものです。
国家は法律の根拠に基づいてのみ、税金を賦課・徴収することができます。
日本の税法の体系は、「憲法」「租税法(法律)」「命令」「告示」「通達」などによって構成されています。
(1)憲法
日本国憲法においては、第29条に「私有財産制」が認められていますが、一方、第30条で「納税の義務」が定められています。
納税の義務は、ある意味において財産権の侵害になりますので、憲法の第84条では「租税法律主義」が規定されています。
すなわち、あらたに租税を課したり、現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることが必要となっています。
(2)租税法(法律)
各種租税法は、国会により制定され、税制の仕組みや基本的重要事項(納税義務者、課税客体、課税標準、税率、申告期限、納期、罰則等)が規定されています。
国税と地方税に区分され、下記のような法律があります。

(3)施行令(政令)
内閣が法律を実施するために制定する命令(法律を超える課税の強化はできない)。
(例)所得税法施行令、法人税法施行令、国税通則法施行令、など
(4)施行規則(省令)
政令の委任により各省大臣が発する命令。
(例)所得税法施行規則、法人税法施行規則、国税通則法施行規則、など
(5)告示
各機関の長が公示を必要とする場合、所轄の諸機関および職員に対して発するもの。
(例)寄附金の指定の告示、特別償却の告示、など
(6)通達
各機関の長が所轄の諸機関および職員に対して発するもの。
(例)所得税法基本通達、法人税法基本通達、相続税法基本通達、など
通達は、行政組織の内部では拘束力を持ちますが、国民や裁判所に拘束力を持つものではありません。しかし、実務上は税法の解釈については通達により処理される場合が多く、重要な役割を果たしています。
日本の税制は法律によって成り立っています。
では次に、税制のさまざまな分類についてご説明しましょう。
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