株価急落でパニックにならないために!
2008年02月20日株価の急落時に必ず発生する「パニック売り」、これを避けることができるだけで飛躍的に投資成果アップにつながるのです。
大幅下落で大きなダメージ
日本の株式市場では、ここ最近、株価が短期間で大幅に下落することが多くなってきました。日経平均株価は今年1月にも3週間弱で3,000円近くの急落となりました。昨年8月の高値から、なんと半年足らずで5,000円以上も値下がりしたことになります。
株価が短期間で大きく下落するとき、その最終局面では、パニック的な投げ売りを巻き込んで急落することがよくあります。今年1月も、1月21日と22日の2日間だけで日経平均株価が1,300円も急落しました。
株式投資を続けていく限り、残念ながら、今回のような短期間での株価急落は避けられません。そして、株価急落が起きるたびに、大きなダメージを負った投資家が次々と株式市場からの退場を余儀なくされています。
実は、株式投資では、「いかに利益を増やすか」よりも、「いかに損失を少なくするか」のほうがはるかに重要なのです。
できるだけ利益を多く得ようとすれば、その分だけ資金を多く投入してたくさんのリスクを取らなければなりません。その結果、思惑通りに株価が上昇すればよいのですが、そうならないことも当然あります。
持ち株を売らされる時
前述のように、株価の大幅な下落は、最後はパニック売りとなって終了します。つまり、パニック売りをした投資家は、下落局面の安値で持ち株を売らされていることになります。 このとき、持ち株を売らされているのは、大きく分けて次の2種類の投資家です。
(1)株価下落の初期段階では我慢していたが、その後さらに大幅に株価が下落したために、これ以上の損失拡大に耐え切れずに持ち株を売却した投資家
(2)信用取引で買い建てしている銘柄や、担保として差し入れている持ち株の大幅な下落によって、信用取引証拠金の追加差し入れ(=「追い証(おいしょう)」)の義務が発生したが、手持ち資金の不足により追加差し入れができずに強制的に信用取引の決済や持ち株売却を余儀なくされた投資家
株式投資で利益をあげるためには、「安く買って高く売る」ことが基本原則です。
したがって、上の(1)や(2)のケースに該当しないような株式投資を心がけてさえいれば、安値でのパニック売りを回避でき、利益を上げる可能性も高まるといえます。
パニックにならないために
では、パニック売りに陥る状況を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。
まず、(1)のケースは、株価が下がってもいつまでも持ち続けてしまったことが原因の1つです。ですから、対処法としては以下の3つが考えられます。
【1】パニックになるほどの株価下落になる前に持ち株を売却してしまう
【2】株価がいくら下落しても持ち続けるという決意をあらかじめ持った上で投資する
【3】株価の大幅下落にもパニックにならないような精神的ゆとりを持てる状況にしておく
【1】は、俗にいう「損切り」と呼ばれる手法で、意に反して株価が買値より下落した場合、傷が浅いうちに売却して損失をできるだけ少なく抑えようとするものです。損切りのラインは人それぞれですが、一般的には株価が買値の10%以上下落した場合に損切りをする方が多いようです。その上で、株価の下落が収まった段階で改めて買いなおすことになります。
【2】は、一般的に「長期保有」と呼ばれる投資手法を用いるものです。ただし、この方法は、「株価が下がっていても持ち続けていればいつかは買った値段まで戻る」ということが前提条件になっています。
しかしながら、過去の実際の株価の動きをみると、バブル崩壊後20年経った今でも、バブル時の高値の半値までも株価が戻っていない銘柄はたくさんあります。また、2006年はじめのライブドア・ショック以降、特に新興市場銘柄の下落はすさまじく、高値から株価が10分の1、20分の1まで下落してしまった銘柄も決して珍しくありません。したがって、筆者は個人的にはこの方法を単独で利用することはあまりオススメしません。例えば、【1】と【2】を併用してポートフォリオを組む等という方法もあってよいのではないでしょうか。
【3】は、そもそも精神的にパニックに陥ってしまう原因自体を防ごうというものです。多くの場合、自分自身が投資できる資金のうち、実際に投資している資金の割合が多ければ多いほど、精神的なゆとりが保てなくなってしまいます。ですから、投資する資金の割合が多くなりすぎないようにすることがポイントになります。
例えば、投資できる資金が300万円あるとしましょう。このうち、300万円の全額を株式投資につぎ込んでしまうと、株価が20%、30%と下がってくると、「どこまで損失が膨らむのか」とだんだんと不安になり、株価が50%下がったところで我慢できずにパニック売りしてしまうのです。このときの心理状態は、「いくら損をしてもよいから、持ち株を売って楽になりたい」、という感じでしょう。
これを避けるためには、例えば、投資できる資金が300万円あっても、実際に株式投資に回すのは100万円だけにすることです。そうすれば、300万円全額を投資した場合に比べて、首尾よく株価が値上がりした場合の利益は少なくなってしまうものの、逆に株価が値下がりした場合でも、壊滅的なダメージは受けずにすみます。その結果、株価の大幅な下落がパニックにつながることもなくなるのです。
(2)のケースを回避する方法としては、上記【1】~【3】のうちの【1】が該当します。 そもそも、信用取引というのは、担保として差し入れた現金や持ち株の3倍程度まで株式投資ができる仕組みです。言い換えれば、借金をして株式投資をしているのです。 そのため、株価の下落スピードによっては、自己資金を上回る損失が生じてしまうこともあります。
信用取引は、通常の現物株の取引と違い、株価が大きく下がった場合、追加の証拠金を差し入れないと強制的に決済され、損失が確定してしまいます。つまり、上の対処法のうち【2】は使えないのです。
また、【3】の観点からは、そもそも資金面で無理をした方法である信用取引は避けるべきであり、リスク覚悟で信用取引を行うのならば、【1】を遵守することが厳格に求められます。なぜなら、1月の急落時の最終局面では、【1】を遵守しなかった結果、強制的に信用取引を決済させられたり、担保の持ち株を売却させられた個人投資家が非常に多かったからです。
株式投資をしていれば、チャンスもピンチもやってきます。無理をした投資でチャンスの時にいくら多くの利益を得ても、ピンチの時にそれ以上の損失を出してしまっては元も子もありません。
株価急落というピンチを乗り切るためには、まずは資金面で無理をしないこと、これこそが株式投資をいつまでも続け、次のチャンスにも参加できるための秘訣なのです。
大幅下落で大きなダメージ
日本の株式市場では、ここ最近、株価が短期間で大幅に下落することが多くなってきました。日経平均株価は今年1月にも3週間弱で3,000円近くの急落となりました。昨年8月の高値から、なんと半年足らずで5,000円以上も値下がりしたことになります。
株価が短期間で大きく下落するとき、その最終局面では、パニック的な投げ売りを巻き込んで急落することがよくあります。今年1月も、1月21日と22日の2日間だけで日経平均株価が1,300円も急落しました。
株式投資を続けていく限り、残念ながら、今回のような短期間での株価急落は避けられません。そして、株価急落が起きるたびに、大きなダメージを負った投資家が次々と株式市場からの退場を余儀なくされています。
実は、株式投資では、「いかに利益を増やすか」よりも、「いかに損失を少なくするか」のほうがはるかに重要なのです。
できるだけ利益を多く得ようとすれば、その分だけ資金を多く投入してたくさんのリスクを取らなければなりません。その結果、思惑通りに株価が上昇すればよいのですが、そうならないことも当然あります。
持ち株を売らされる時
前述のように、株価の大幅な下落は、最後はパニック売りとなって終了します。つまり、パニック売りをした投資家は、下落局面の安値で持ち株を売らされていることになります。 このとき、持ち株を売らされているのは、大きく分けて次の2種類の投資家です。
(1)株価下落の初期段階では我慢していたが、その後さらに大幅に株価が下落したために、これ以上の損失拡大に耐え切れずに持ち株を売却した投資家
(2)信用取引で買い建てしている銘柄や、担保として差し入れている持ち株の大幅な下落によって、信用取引証拠金の追加差し入れ(=「追い証(おいしょう)」)の義務が発生したが、手持ち資金の不足により追加差し入れができずに強制的に信用取引の決済や持ち株売却を余儀なくされた投資家
株式投資で利益をあげるためには、「安く買って高く売る」ことが基本原則です。
したがって、上の(1)や(2)のケースに該当しないような株式投資を心がけてさえいれば、安値でのパニック売りを回避でき、利益を上げる可能性も高まるといえます。
パニックにならないために
では、パニック売りに陥る状況を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。
まず、(1)のケースは、株価が下がってもいつまでも持ち続けてしまったことが原因の1つです。ですから、対処法としては以下の3つが考えられます。
【1】パニックになるほどの株価下落になる前に持ち株を売却してしまう
【2】株価がいくら下落しても持ち続けるという決意をあらかじめ持った上で投資する
【3】株価の大幅下落にもパニックにならないような精神的ゆとりを持てる状況にしておく
【1】は、俗にいう「損切り」と呼ばれる手法で、意に反して株価が買値より下落した場合、傷が浅いうちに売却して損失をできるだけ少なく抑えようとするものです。損切りのラインは人それぞれですが、一般的には株価が買値の10%以上下落した場合に損切りをする方が多いようです。その上で、株価の下落が収まった段階で改めて買いなおすことになります。
【2】は、一般的に「長期保有」と呼ばれる投資手法を用いるものです。ただし、この方法は、「株価が下がっていても持ち続けていればいつかは買った値段まで戻る」ということが前提条件になっています。
しかしながら、過去の実際の株価の動きをみると、バブル崩壊後20年経った今でも、バブル時の高値の半値までも株価が戻っていない銘柄はたくさんあります。また、2006年はじめのライブドア・ショック以降、特に新興市場銘柄の下落はすさまじく、高値から株価が10分の1、20分の1まで下落してしまった銘柄も決して珍しくありません。したがって、筆者は個人的にはこの方法を単独で利用することはあまりオススメしません。例えば、【1】と【2】を併用してポートフォリオを組む等という方法もあってよいのではないでしょうか。
【3】は、そもそも精神的にパニックに陥ってしまう原因自体を防ごうというものです。多くの場合、自分自身が投資できる資金のうち、実際に投資している資金の割合が多ければ多いほど、精神的なゆとりが保てなくなってしまいます。ですから、投資する資金の割合が多くなりすぎないようにすることがポイントになります。
例えば、投資できる資金が300万円あるとしましょう。このうち、300万円の全額を株式投資につぎ込んでしまうと、株価が20%、30%と下がってくると、「どこまで損失が膨らむのか」とだんだんと不安になり、株価が50%下がったところで我慢できずにパニック売りしてしまうのです。このときの心理状態は、「いくら損をしてもよいから、持ち株を売って楽になりたい」、という感じでしょう。
これを避けるためには、例えば、投資できる資金が300万円あっても、実際に株式投資に回すのは100万円だけにすることです。そうすれば、300万円全額を投資した場合に比べて、首尾よく株価が値上がりした場合の利益は少なくなってしまうものの、逆に株価が値下がりした場合でも、壊滅的なダメージは受けずにすみます。その結果、株価の大幅な下落がパニックにつながることもなくなるのです。
(2)のケースを回避する方法としては、上記【1】~【3】のうちの【1】が該当します。 そもそも、信用取引というのは、担保として差し入れた現金や持ち株の3倍程度まで株式投資ができる仕組みです。言い換えれば、借金をして株式投資をしているのです。 そのため、株価の下落スピードによっては、自己資金を上回る損失が生じてしまうこともあります。
信用取引は、通常の現物株の取引と違い、株価が大きく下がった場合、追加の証拠金を差し入れないと強制的に決済され、損失が確定してしまいます。つまり、上の対処法のうち【2】は使えないのです。
また、【3】の観点からは、そもそも資金面で無理をした方法である信用取引は避けるべきであり、リスク覚悟で信用取引を行うのならば、【1】を遵守することが厳格に求められます。なぜなら、1月の急落時の最終局面では、【1】を遵守しなかった結果、強制的に信用取引を決済させられたり、担保の持ち株を売却させられた個人投資家が非常に多かったからです。
株式投資をしていれば、チャンスもピンチもやってきます。無理をした投資でチャンスの時にいくら多くの利益を得ても、ピンチの時にそれ以上の損失を出してしまっては元も子もありません。
株価急落というピンチを乗り切るためには、まずは資金面で無理をしないこと、これこそが株式投資をいつまでも続け、次のチャンスにも参加できるための秘訣なのです。
公認会計士・税理士・AFP 足立武志
提供:株式会社FP総研
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