自分にあった債券投資を見つけてみよう!
2008年11月04日
債券投資は、債券そのものに投資するだけでなく、さまざまなバリエーションがあります。特徴をつかんで有効に活用しましょう。
前回のコラム「債券投資はなぜ『資金の緊急避難先』なのか?」でご案内したとおり、今回は、債券投資のバリエーションとして、債券そのものに投資する以外の、代表的な債券投資型の金融商品についてご紹介したいと思います。
1.MMF
MMFは、「マネー・マネージメント・ファンド」の略であり、国債や社債、短期金融商品を投資対象とした債券型の投資信託です。MMFには、円建てのMMFと、米ドルやユーロなど外貨建てのMMFがあります。MMFは、安全性の高い国債や社債などを投資対象として組み込んでいますので、元本割れする恐れはほとんどありません。
しかし、ほとんどないとはいえ、元本割れとなったこともあります。
例えば円建てのMMFでは、2001年に大手スーパーのマイカルやアメリカのエンロンが経営破たんしたとき、元本割れになりました。また最近では、アメリカで発行されたMMFが、リーマン・ブラザーズの破たんに伴い元本割れとなってしまいました。
ただし、元本割れといっても数パーセント程度であり、株式投資のような大きな損失を被る危険性はないと考えてよいでしょう。
MMFは、少額から預け入れができ、預け入れてから1ヶ月経過すれば手数料なしで解約・換金できるなど、預金に近い使い勝手で、かつ預金より高い利回りであることが魅力的な商品です。ただし、預金のように元本保証されているわけではありませんから、時には元本割れすることもあることを頭に入れた上で投資するようにして下さい。
2.個人向け国債
個人向け国債は債券そのものに投資するものですが、通常の債券そのものとは大きく異なる「メリット」があるのが特徴です。
個人向け国債の最大のメリットとは、「値下がりリスクを回避することができる」ということにあります。
通常の国債をはじめ、一般的に債券は、買ったときより金利水準が上昇すると価格は下落してしまいます。満期まで保有すれば一定の利回りは確保できますが、満期前に売却するときにはそのときの金利動向により、売却益を得ることもあれば、逆に売却損を被ることもあるのです。
一方個人向け国債は、発行後決められた期間(変動10年タイプは1年、固定5年タイプは2年)を経過すれば、元本から直近1年間(変動10年タイプ)または2年間(固定5年タイプ)の税引後利息相当額を差し引いた額で国が買い取ってくれます。
その分、通常の国債より利率が低く設定されていますが、「価格変動による値下がりリスク」を回避できることは非常に大きなメリットとなります。
国債に投資したときには5年後の満期まで保有するつもりでも、その間にどうしてもお金が必要になることもあるかもしれません。そんなとき、通常の国債なら金利動向によっては20%、30%も元本割れした価格でしか売却できない可能性も大いにあります。しかし、個人向け国債であれば、金利動向を気にせず、額面に近い価格で買い取ってもらえるのです。
3.債券型投資信託
国債や社債そのものを買うのは敷居が高いと感じる個人投資家も多いようです。また、社債は購入するのにかなりまとまった資金が必要になります。
社債は投資先の破たんにより元本や利息が支払われなくなるリスクがありますから、できるだけ複数の社債に投資するのがリスク軽減のために必要です。しかし、個人投資家で数多くの社債に投資することは資金面の制約からも現実的ではありません。
そこで、債券型の投資信託に投資することで、少額の資金で、なおかつリスク分散が図れるのです。
ただし、債券型投資信託が債券そのものへの投資と異なるのは、「債券型投資信託は満期が存在しないものが多い」ということです。債券型投資信託のうちオープン型と呼ばれるような、いつでも購入、解約可能なタイプのものは、満期がないのが通常です。満期がないということは、債券のように、「満期まで持ち続けて一定の利回りを確保する」という投資手法を取れないことを表します。
つまり、オープン型の債券型投資信託に投資した後、金利が上昇すると、投資信託の価格が下落してしまうことになります。
したがって、あまりに金利水準が低いときに債券型投資信託へ投資することは、金利上昇に伴う価格下落のリスクを多く背負うことにつながりますから注意しましょう。
4.外国債ファンド(外国債型投資信託)
グローバル・ソブリン・ファンドを筆頭に、外国の国債を中心に運用する外国債型投資信託は、個人投資家にとってなじみの深いものになっています。
昨年ごろまでは、外国の国債ならではの高金利に加え、為替レートが円安傾向でしたから、多くの分配金を受け取ることができただけでなく、売却することで多くの利益を得ることも可能でした。
しかし、最近の急速な円高によって、基準価格が大きく下落し、売却しても逆に損失が発生することも多くなってきたようです。
外国の国債は確かに高い金利が付されています。しかし、一方で為替リスクがあることも忘れてはなりません。実は、昨年までの円安は「円安バブル」だったとも言われています。したがって、今後しばらく円高の傾向が続く可能性も大いにあります。為替相場の将来を予測するのは非常に難しいですが、外国債ファンドに投資する際は、為替の変動により元本割れになることも考慮し、慎重に投資するようにして下さい。
債券投資は、ポートフォリオを組んで分散投資する際には、株式と並んで重要な位置づけを占めるものです。株式が下落するときに債券の価格は上昇しやすいので、リスクの分散に効果が期待できます。
債券はインフレや好景気のときのような金利上昇局面に弱く、デフレや不景気など金利低下局面に強いという特徴があります。しかし、個人向け国債のように、仮に金利上昇により債券価格が下落しても額面で買い取ってくれるものもありますし、MMFは組み入れている債券の満期までの期間が短いため、金利上昇により価格が大きく下落することはありません。
債券や債券型の金融商品のそれぞれの特徴を理解し、自分自身にあったものを見つけて投資するようにしてみてはいかがでしょうか。
前回のコラム「債券投資はなぜ『資金の緊急避難先』なのか?」でご案内したとおり、今回は、債券投資のバリエーションとして、債券そのものに投資する以外の、代表的な債券投資型の金融商品についてご紹介したいと思います。
1.MMF
MMFは、「マネー・マネージメント・ファンド」の略であり、国債や社債、短期金融商品を投資対象とした債券型の投資信託です。MMFには、円建てのMMFと、米ドルやユーロなど外貨建てのMMFがあります。MMFは、安全性の高い国債や社債などを投資対象として組み込んでいますので、元本割れする恐れはほとんどありません。
しかし、ほとんどないとはいえ、元本割れとなったこともあります。
例えば円建てのMMFでは、2001年に大手スーパーのマイカルやアメリカのエンロンが経営破たんしたとき、元本割れになりました。また最近では、アメリカで発行されたMMFが、リーマン・ブラザーズの破たんに伴い元本割れとなってしまいました。
ただし、元本割れといっても数パーセント程度であり、株式投資のような大きな損失を被る危険性はないと考えてよいでしょう。
MMFは、少額から預け入れができ、預け入れてから1ヶ月経過すれば手数料なしで解約・換金できるなど、預金に近い使い勝手で、かつ預金より高い利回りであることが魅力的な商品です。ただし、預金のように元本保証されているわけではありませんから、時には元本割れすることもあることを頭に入れた上で投資するようにして下さい。
2.個人向け国債
個人向け国債は債券そのものに投資するものですが、通常の債券そのものとは大きく異なる「メリット」があるのが特徴です。
個人向け国債の最大のメリットとは、「値下がりリスクを回避することができる」ということにあります。
通常の国債をはじめ、一般的に債券は、買ったときより金利水準が上昇すると価格は下落してしまいます。満期まで保有すれば一定の利回りは確保できますが、満期前に売却するときにはそのときの金利動向により、売却益を得ることもあれば、逆に売却損を被ることもあるのです。
一方個人向け国債は、発行後決められた期間(変動10年タイプは1年、固定5年タイプは2年)を経過すれば、元本から直近1年間(変動10年タイプ)または2年間(固定5年タイプ)の税引後利息相当額を差し引いた額で国が買い取ってくれます。
その分、通常の国債より利率が低く設定されていますが、「価格変動による値下がりリスク」を回避できることは非常に大きなメリットとなります。
国債に投資したときには5年後の満期まで保有するつもりでも、その間にどうしてもお金が必要になることもあるかもしれません。そんなとき、通常の国債なら金利動向によっては20%、30%も元本割れした価格でしか売却できない可能性も大いにあります。しかし、個人向け国債であれば、金利動向を気にせず、額面に近い価格で買い取ってもらえるのです。
3.債券型投資信託
国債や社債そのものを買うのは敷居が高いと感じる個人投資家も多いようです。また、社債は購入するのにかなりまとまった資金が必要になります。
社債は投資先の破たんにより元本や利息が支払われなくなるリスクがありますから、できるだけ複数の社債に投資するのがリスク軽減のために必要です。しかし、個人投資家で数多くの社債に投資することは資金面の制約からも現実的ではありません。
そこで、債券型の投資信託に投資することで、少額の資金で、なおかつリスク分散が図れるのです。
ただし、債券型投資信託が債券そのものへの投資と異なるのは、「債券型投資信託は満期が存在しないものが多い」ということです。債券型投資信託のうちオープン型と呼ばれるような、いつでも購入、解約可能なタイプのものは、満期がないのが通常です。満期がないということは、債券のように、「満期まで持ち続けて一定の利回りを確保する」という投資手法を取れないことを表します。
つまり、オープン型の債券型投資信託に投資した後、金利が上昇すると、投資信託の価格が下落してしまうことになります。
したがって、あまりに金利水準が低いときに債券型投資信託へ投資することは、金利上昇に伴う価格下落のリスクを多く背負うことにつながりますから注意しましょう。
4.外国債ファンド(外国債型投資信託)
グローバル・ソブリン・ファンドを筆頭に、外国の国債を中心に運用する外国債型投資信託は、個人投資家にとってなじみの深いものになっています。
昨年ごろまでは、外国の国債ならではの高金利に加え、為替レートが円安傾向でしたから、多くの分配金を受け取ることができただけでなく、売却することで多くの利益を得ることも可能でした。
しかし、最近の急速な円高によって、基準価格が大きく下落し、売却しても逆に損失が発生することも多くなってきたようです。
外国の国債は確かに高い金利が付されています。しかし、一方で為替リスクがあることも忘れてはなりません。実は、昨年までの円安は「円安バブル」だったとも言われています。したがって、今後しばらく円高の傾向が続く可能性も大いにあります。為替相場の将来を予測するのは非常に難しいですが、外国債ファンドに投資する際は、為替の変動により元本割れになることも考慮し、慎重に投資するようにして下さい。
債券投資は、ポートフォリオを組んで分散投資する際には、株式と並んで重要な位置づけを占めるものです。株式が下落するときに債券の価格は上昇しやすいので、リスクの分散に効果が期待できます。
債券はインフレや好景気のときのような金利上昇局面に弱く、デフレや不景気など金利低下局面に強いという特徴があります。しかし、個人向け国債のように、仮に金利上昇により債券価格が下落しても額面で買い取ってくれるものもありますし、MMFは組み入れている債券の満期までの期間が短いため、金利上昇により価格が大きく下落することはありません。
債券や債券型の金融商品のそれぞれの特徴を理解し、自分自身にあったものを見つけて投資するようにしてみてはいかがでしょうか。
公認会計士・税理士・AFP 足立武志
提供:株式会社FP総研
おすすめ情報
最新コラム
|
人気ランキング
| コラムタイトル | 平均スコア | |||
| 1. | 本当は怖い“保険料の未納” - 6月5日 | 7.81 | ||
| 2. | 徐々に浸透しつつある「米国経済の真の姿」 - 11月13日 | 7.61 | ||
| 3. | 投資家から忘れられたフィリピンの実力 - 10月30日 | 7.53 | ||
| 4. | 世界を震撼させた-南アフリカ・ランド事件 - 11月5日 | 7.35 | ||
| 5. | 海外勢の円キャリー・トレード激減の影響は? - 11月20日 | 7.19 |
PR
最新コラム
- IMF「ユーロはやや高すぎ」 - 11月25日
- ドル/円相場・昨日の解説と今後の見通し - 11月25日
- 成長は続く?バークシャー・ハサウェイの未来 - 11月25日
- 11月は生命保険を考える月 - 11月25日
- 今夜の注目材料はこちら☆ - 11月24日
住宅・不動産情報
株式ニュース(動画)
MoneyInlineVideoPlayer_StockPage
This video requires the Adobe® Flash® Player. Download a free version of the player.
