「ETF」VS「個別銘柄」、あなたはどっち
2008年12月25日 日経平均株価やTOPIXに連動した値動きをするETF。個別銘柄に投資するのとどちらがいったい有利なのでしょうか?
今ではすっかり投資家におなじみとなったETF。日経平均株価やTOPIXといった日本株全体の株価指数に連動するタイプのみならず、最近では業種別指数、REIT指数や新興市場指数に連動するもの、外国の株価指数に連動するもの、さらには金価格や為替レートの動きに連動するものまで上場しており、非常にバラエティ豊かなラインナップになっています。
ETFのメリット
ところで最近、FPをはじめとした専門家が、ETFの優位性やメリットを強調することが多くなってきたように感じます。
確かに、ETFには以下のようなメリットがあり、その点は筆者も否定することはありません。
・手数料が安い
投資信託には「信託報酬」という手数料がかかります。ETFは一般の投資信託に比べて、信託報酬が低く設定されています。
また、ETFには販売手数料もかかりません。上場株式の売買と同じように、証券会社への売買委託手数料がかかりますが、これを加味してもETFの手数料は割安です。
・倒産の危険性がない
ETFは株価指数などを投資対象としているため、個別銘柄のように倒産してしまうリスクがありません。
・分散投資が気軽にできる
ETFは株価指数などを投資対象としていますから、何十・何百もの銘柄に分散投資するのと同じ効果を得られます。
ETFのリスク
一方で、ETFへの投資について気をつけるべき点もあります。最も重要なのは、流動性についてです。
ETFの中には、売買高が少ない(=流動性が低い)ものもあります。こうしたものにまとまった資金を投資しようとすると、時価よりもかなり高い価格でないと買えない場合があります。売却するときも同様で、自分の売りが価格を大きく下げてしまうことになってしまいます。ETFが連動対象としている株価指数とは大きく乖離した価格で売買をせざるを得ないのです。
また、ETFの中には、指数や商品価格そのものに投資するもの以外に、指数や商品価格に連動する債券に投資するタイプのものがあります。
このタイプのETFにおいて、1つ気をつけなければならないリスクがあります。それは、債券の発行体が破綻してしまうリスクです。
ETFが投資している債券がデフォルト(=債務不履行)を起こしてしまうと、もはやそのETFは、連動の対象としている指数や商品価格に連動しなくなってしまい、価格は大きく下落してしまう恐れがあります。
こうしたリスクが気になる場合は、気になるETFにつき事前にホームページなどで、投資方針やリスクに関する記述をチェックするようにしてください。
ETFは、万能な運用商品なのか?
さて、日経平均株価やTOPIX、あるいは海外の株価指数に連動したETFは、常に万能な運用商品なのでしょうか。実は、相場環境によっては、決してそうとも言い切れません。
これは、株価指数の計算方法を考えてみると明らかになってきます。私たち個人投資家にとって最も身近な日本株について詳しく見ていくことにしましょう。
日経平均株価とは?
まず、日経平均株価は、東証1部に上場している銘柄のうち、225銘柄の株価の動きを指数化したものです。日経平均株価は、225銘柄を単純に足し合わせて除数と呼ばれる数値で割ることで求められますので、株価の高い銘柄の動きに大きく左右されます。
そのため、日経平均株価の採用銘柄でも株価が低い銘柄の値動きは、日経平均株価の動きにほとんど影響を与えません。
100円の銘柄が200円まで2倍に上昇するのと、9,800円の銘柄が9,900円にまでたった1%上昇するのと、日経平均株価に与える影響は同じです。
そして、日経平均株価の構成銘柄になっていない銘柄であれば、いくら株価が値上がりしようが、まったく日経平均株価に影響は及ばないのです。
TOPIXとは?
一方、TOPIXは東証1部全銘柄の浮動株の時価総額を指数化したものです。そのため、時価総額の大きい銘柄の値動きの影響を強く受けます。
したがって、いわゆる小型株の値動きはTOPIXにはほとんど影響を与えません。
さらに、東証1部ではなく、東証2部、ジャスダック、マザーズなどに上場している銘柄の株価がいくら上昇しようが、日経平均株価やTOPIXの動きには全く関係ありません。
つまり、いわゆる小型株が活躍するような相場では、日経平均株価やTOPIXに連動するETFがあまり上昇しないのに、小型株の個別銘柄では大きく株価が上昇する、という現象が起こるのです。
株式市場では、全ての銘柄が同じように上昇することはありません。また、全体が上昇相場であっても、銘柄により上昇率は大きく異なるのが普通です。
日経平均株価やTOPIXに連動するタイプのETFへ投資して利益を得ることができるのは、日本を代表するような企業である大型株が上昇したり、株式市場全体が底上げされているときです。 ですから、株価が低い銘柄や、小型株、新興市場株のみが大きな上昇となっても、ETFに投資している限りその上昇の恩恵を受けることはできません。
実際、2005年から2006年初頭にかけては、ETFはおよそ1.5倍の上昇でしたが、新興市場の個別銘柄は株価が10倍、20倍が当たり前の上昇をみせました。
もちろん、逆に2006年はじめのライブドア・ショック以降の新興市場バブル崩壊後は、ETFより新興市場の個別銘柄の下落率がはるかに大きかったことも事実です。
あなたにあった投資方針は?
投資方針は人それぞれです。日本株全体の上昇を長い目で待つ、あまり激しい値動きは好まない、もしくは個別銘柄への投資であまり良い思いをしたことがない、と言う人は、ETFを投資対象として活用してみてもよいでしょう。
一方、将来の株価上昇が期待できる銘柄を見つけ出して指数以上に利益をあげたり、より効率的に儲けたいという人は、個別銘柄への投資してみてはいかがですか。
もちろん、ETFと個別銘柄への投資の2つをミックスするのもよいでしょう。
一般に、個別銘柄の方がETFより値動きが大きくなる傾向があります。ETFに投資してじっくり気長に待つか、積極的に個別銘柄へ投資するかは皆さん次第です。
今ではすっかり投資家におなじみとなったETF。日経平均株価やTOPIXといった日本株全体の株価指数に連動するタイプのみならず、最近では業種別指数、REIT指数や新興市場指数に連動するもの、外国の株価指数に連動するもの、さらには金価格や為替レートの動きに連動するものまで上場しており、非常にバラエティ豊かなラインナップになっています。
ETFのメリット
ところで最近、FPをはじめとした専門家が、ETFの優位性やメリットを強調することが多くなってきたように感じます。
確かに、ETFには以下のようなメリットがあり、その点は筆者も否定することはありません。
・手数料が安い
投資信託には「信託報酬」という手数料がかかります。ETFは一般の投資信託に比べて、信託報酬が低く設定されています。
また、ETFには販売手数料もかかりません。上場株式の売買と同じように、証券会社への売買委託手数料がかかりますが、これを加味してもETFの手数料は割安です。
・倒産の危険性がない
ETFは株価指数などを投資対象としているため、個別銘柄のように倒産してしまうリスクがありません。
・分散投資が気軽にできる
ETFは株価指数などを投資対象としていますから、何十・何百もの銘柄に分散投資するのと同じ効果を得られます。
ETFのリスク
一方で、ETFへの投資について気をつけるべき点もあります。最も重要なのは、流動性についてです。
ETFの中には、売買高が少ない(=流動性が低い)ものもあります。こうしたものにまとまった資金を投資しようとすると、時価よりもかなり高い価格でないと買えない場合があります。売却するときも同様で、自分の売りが価格を大きく下げてしまうことになってしまいます。ETFが連動対象としている株価指数とは大きく乖離した価格で売買をせざるを得ないのです。
また、ETFの中には、指数や商品価格そのものに投資するもの以外に、指数や商品価格に連動する債券に投資するタイプのものがあります。
このタイプのETFにおいて、1つ気をつけなければならないリスクがあります。それは、債券の発行体が破綻してしまうリスクです。
ETFが投資している債券がデフォルト(=債務不履行)を起こしてしまうと、もはやそのETFは、連動の対象としている指数や商品価格に連動しなくなってしまい、価格は大きく下落してしまう恐れがあります。
こうしたリスクが気になる場合は、気になるETFにつき事前にホームページなどで、投資方針やリスクに関する記述をチェックするようにしてください。
ETFは、万能な運用商品なのか?
さて、日経平均株価やTOPIX、あるいは海外の株価指数に連動したETFは、常に万能な運用商品なのでしょうか。実は、相場環境によっては、決してそうとも言い切れません。
これは、株価指数の計算方法を考えてみると明らかになってきます。私たち個人投資家にとって最も身近な日本株について詳しく見ていくことにしましょう。
日経平均株価とは?
まず、日経平均株価は、東証1部に上場している銘柄のうち、225銘柄の株価の動きを指数化したものです。日経平均株価は、225銘柄を単純に足し合わせて除数と呼ばれる数値で割ることで求められますので、株価の高い銘柄の動きに大きく左右されます。
そのため、日経平均株価の採用銘柄でも株価が低い銘柄の値動きは、日経平均株価の動きにほとんど影響を与えません。
100円の銘柄が200円まで2倍に上昇するのと、9,800円の銘柄が9,900円にまでたった1%上昇するのと、日経平均株価に与える影響は同じです。
そして、日経平均株価の構成銘柄になっていない銘柄であれば、いくら株価が値上がりしようが、まったく日経平均株価に影響は及ばないのです。
TOPIXとは?
一方、TOPIXは東証1部全銘柄の浮動株の時価総額を指数化したものです。そのため、時価総額の大きい銘柄の値動きの影響を強く受けます。
したがって、いわゆる小型株の値動きはTOPIXにはほとんど影響を与えません。
さらに、東証1部ではなく、東証2部、ジャスダック、マザーズなどに上場している銘柄の株価がいくら上昇しようが、日経平均株価やTOPIXの動きには全く関係ありません。
つまり、いわゆる小型株が活躍するような相場では、日経平均株価やTOPIXに連動するETFがあまり上昇しないのに、小型株の個別銘柄では大きく株価が上昇する、という現象が起こるのです。
株式市場では、全ての銘柄が同じように上昇することはありません。また、全体が上昇相場であっても、銘柄により上昇率は大きく異なるのが普通です。
日経平均株価やTOPIXに連動するタイプのETFへ投資して利益を得ることができるのは、日本を代表するような企業である大型株が上昇したり、株式市場全体が底上げされているときです。 ですから、株価が低い銘柄や、小型株、新興市場株のみが大きな上昇となっても、ETFに投資している限りその上昇の恩恵を受けることはできません。
実際、2005年から2006年初頭にかけては、ETFはおよそ1.5倍の上昇でしたが、新興市場の個別銘柄は株価が10倍、20倍が当たり前の上昇をみせました。
もちろん、逆に2006年はじめのライブドア・ショック以降の新興市場バブル崩壊後は、ETFより新興市場の個別銘柄の下落率がはるかに大きかったことも事実です。
あなたにあった投資方針は?
投資方針は人それぞれです。日本株全体の上昇を長い目で待つ、あまり激しい値動きは好まない、もしくは個別銘柄への投資であまり良い思いをしたことがない、と言う人は、ETFを投資対象として活用してみてもよいでしょう。
一方、将来の株価上昇が期待できる銘柄を見つけ出して指数以上に利益をあげたり、より効率的に儲けたいという人は、個別銘柄への投資してみてはいかがですか。
もちろん、ETFと個別銘柄への投資の2つをミックスするのもよいでしょう。
一般に、個別銘柄の方がETFより値動きが大きくなる傾向があります。ETFに投資してじっくり気長に待つか、積極的に個別銘柄へ投資するかは皆さん次第です。
公認会計士・税理士・AFP 足立武志
提供:株式会社FP総研
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